MENSAの思考

「才能がなくても努力すればなんとかなる」のウソ

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

「知能の大部分は遺伝である」

という話をすると必ず出てくる

意見があります。

 

それは、

「知能は関係ない!

本当に重要なのは努力だ!」

という話です。

 

たしかに、いくら知能があっても

努力をしたり、やり抜く力がなけ

れば何も成し遂げられませんよね。

 

逆に言えば、知能なんかなくても

「成功するまで努力すれば成功する」

なんて話もあります。

 

ですが、、、

 

実は、これらの主張にも

残酷な事実があります。

 

それは以下のもの。

 

////////////////

<以下、意訳・抜粋>

 

総計1455万8903人の双生児を

対象とした1958年から2012年

までの2748件の研究を2015年

にメタ分析した調査によると、

遺伝率は以下になる。

 

・やる気…57%

・集中力…44%

////////////////

 

ここで、もし、

努力をするには、

「やる気」が必要で、

やり抜くには、

「集中力」が必要だと

仮定するなら、

「知能以外の要素についても

約50%が遺伝で決まる」

となるということです。

 

要は、

 

・知能がないと成功できない!

→70%が遺伝

・いやいや、知能がなくても

努力すればなんとかなる!

→50%が遺伝

ということです。

 

つまり、

「才能がなくても努力すれば

なんとかなる」という言葉を

正しく修正するのなら、

「知能がなくても努力の才能

があればなんとかなる」

となるわけです。

 

なんて残酷な世界なのか…^^;

 

で、こんなことを聞いても

きっと納得できない人も

多いことでしょう。

 

「自分は頭良くないし、

何も才能はなかったけど、

努力だけで成功した!」

 

そう考えている人も多いと

思います。

 

そして、それが才能のない

多くの人の希望になると

考えて「努力の大切さ」を

謳っている人もいるでしょう。

 

ですが、努力の才能を認めずに、

「努力は誰しもできるもので

才能ではない」と考えてしまう

ことは悲しい問題を生むこと

になるかもしれません。

 

たとえば、あなたのそばに、

「努力をしているけど、

うまくいっていない人」

がいたらどうでしょう?

 

きっと多くの人は、

「なんとかうまくいって

欲しい。応援したい。」

と思うかもしれませんね。

 

では、逆に、

「まったく努力もしないし、

うまくもいっていない人」

がいたとしたらどうでしょう?

 

きっと多くの人は、

「努力していないのだから

当然だ。まずは努力をしろ。」

と思うことでしょう。

 

つまり、

「努力は誰でもできるのだから、

努力をしていないやつが悪い」

という考えですね。

 

ですが、実際は「努力も才能」

であるとしたら何が起きるの

でしょうか?

 

ここで一つ紹介したいのが、

児童精神科医の宮口幸治氏の

以下の話です。

 

『医療少年院などで出会う

少年たちは、頑張りたいと

思っているかもしれないが、

それでも頑張れないのだ。

ほんとうに支援が必要なのは、

わたしたちが支援したくない

と思うような「頑張れない

子どもたち」だ。』

 

―引用・抜粋『どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2』著:宮口幸治、出版:新潮社 (2021/4/19)

 

要は、

努力できる人が、

努力できることを才能と

認めないと、

努力できる才能を持たずに

生まれた人が、結果的に

応援してもらえないことに

なってしまうということです。

 

「努力で誰もが成功できる」

という夢を与えるつもりが、

「努力ができない人を奈落の

底に叩き落としただけだった」

ということですね。

 

さて、それでも、

努力できる才能を持った

あなたは「努力すること」

を他人に押し付けますか?

 

…桐生自身も

「誰でも努力すれば

なんとかなる。

うまくいかないのは

努力が足りないから。」

という考えを持っていたので、

反省しました^^;

 

桐生 将人

 

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