マーケティング

「おもてなし」の終焉

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

ストレスを感じなくなったせいで

弊害が出てしまうことが以前ありました。

 

疲れが溜まり始めている

アラートがかからないので、

いきなり急激な疲れを感じてしまう日が

出てしまったということですね^^;

 

で、そんな僕がその時に始めたのは、

朝少し早く家を出て、

会社に行く途中のスタバで

ゆっくり本を読みながら

コーヒーを飲む

ということでした。

 

疲れを感じていなくても、

リラックスする時間を強制的に

作ることで対策を打ってみたって

感じですね!

 

効果のほどはわかりませんでしたが…。

 

さて、スターバックスと言えば、

「スターバックスの感動する接客対応」的な

多くの逸話がありますよね。

 

で、そういったストーリーに感動した

人たちが「感動価値の創造」といった

サービス改革を試みています。

 

「うちの会社もスタバのような

感動価値を生み出して、

ブランド力をアップするぞ!」

というように。

 

かくいう僕自身も、

元スターバックスCEOの岩田松雄さんの本を

読んではいくつも感動するストーリーに涙をして

「いつかは自分もこんなサービスを」と

志したものです。

 

ですが、残念ながら、

中小企業が「感動価値」を志すことは

はっきり言って無駄です。

 

まぁ、冷静に考えれば

そんなことは当たり前ですよね。

 

誰にもできないからこそ、

そのサービスは感動を呼び、

僕たちはそのサービスに

憧れるわけです。

 

たとえば、

メジャーリーグで全ての日本選手が

イチロー並みの成績をあげられたら

誰もイチローに感動したり

憧れたりしませんよね?

 

イチローにしかできないから

イチローに感動するのです。

 

スターバックスレベルの企業でも

年に数回もない奇跡の体験を

中小企業が目指すというのが

現実的ではないことはなんとなく

わかると思います。

 

「それでもうちはチャレンジする!

会社全体で顧客感動価値を創造する!」

 

そういう会社もいるかもしれませんね。

 

そんな方のために残酷な真実を一つ

ご紹介します。

 

それは「感動価値」を生み出したとして…

その費用対効果がどうなのか?

 

という超現実的な話について、です。

 

一つのデータを紹介しますね。

 

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9万7000人あまりの顧客の回答を分析して

わかったのは、期待以上のサービスを受けた

顧客と期待が満たされただけの顧客の

ロイヤルティには事実上まったく差が

なかったということだ。

「右肩上がり」でロイヤルティが

飛躍的に上昇するのではなく、

期待が満たされれば、その後ロイヤルティの

伸びはむしろ横ばいになる。

―出典:「おもてなし幻想(著:マシュー・ディクソン、ニック・トーマン、リック・デリシ、出版:大日本印刷株式会社)」

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つまり、

苦労して感動価値を提供しても、

必要十分な価値を提供しても、

ブランド力への影響はほとんど

変わらないということです。

 

これって結構ショッキングな話ですよね。

 

なぜなら、この結果に従えば、

10年に1回の「感動価値」を

提供するために必死に研修や教育を

行うくらいだったら、

日々「必要にして十分な価値」を

提供することを徹底した方が良い

ということになってしまうからです。

 

もっと言ってしまえば、

「感動価値」を志向することは、

ハイリスクローリターンの手段です。

 

なぜなら、「感動価値」を試行錯誤する結果、

顧客に不必要に多くの情報を提供したり、

顧客が求めていないレベルでのサービスを

提供してしまい、クレームになってしまう

こともあるからです。

 

「おもてなし」という言葉が

流行語大賞になっておりましたが、

 

リアルなビジネスの世界での流行語は、

「必要にして十分」になるかも

しれませんね^^;

 

過剰なサービスに無駄なコストを

払って逆にブランド力を下げていませんか?

 

桐生 将人

 

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

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