MENSAの思考

良いことと悪いこと、どっちを先に言うのが正解?

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

あなたが、”良いこと”と”悪いこと”

の両方を人に伝えなければならない

状況に直面したとします。

 

さて、あなたは、”良いこと”を

先に話しますか?

 

それとも、”悪いこと”を先に

話しますか?

 

こういった場合に、一般的に

よく言われているのは、

“悪いこと”を先に伝えて、

“良いこと”で最後を締めくくる

というものです。

 

“終わりよければすべて良し”

的な発想ですね。

 

ですが、心理学的に考えると、

これは逆効果になる場合があります。

 

たとえば、人の「特徴」を伝える

ときは要注意です。

 

一つの実験を紹介します。

 

あなたも一緒に考えてみてくださいね。

 

//////////////////

あなたはアランかベンか、

どちらが好きですか?

直感的に判断してください。

アラン:頭がいい、勤勉、直情的、批判的、頑固、嫉妬深い

ベン :嫉妬深い、頑固、批判的、直情的、勤勉、頭がいい

//////////////////

 

どうでしたか?

 

あなたはどちらが好きでしたか?

 

ちなみに、この実験の結果、

大多数の人は「アランの方が好き」

と判断しました。

 

不思議ですよね。

 

書いてある”内容”は同じなのに、

書いてある”順番”が違うだけで、

まったく異なる印象を与える

わけです。

 

なぜこんなことが起きるかと

いうと、脳が無意識に一貫性を

保とうとしてしまうからです。

 

前者は最初に「頭がいい」とか

「勤勉」といったポジティブな

ワードが出てきます。

 

その結果、脳が勝手に一貫性を

保とうとして、後半の言葉も

ポジティブに捉えようとするという

ことです。

 

たとえば、

「批判的」という言葉を

「論理的な人である」と

判断したり、

「頑固」という言葉を

「人の意見に左右されず、

自分の芯を持っている人」

と判断したりするということです。

 

逆に、後者は「嫉妬深い」や

「批判的」というネガティブ

なワードから始まります。

 

その結果、やはり脳の無意識が

ネガティブな一貫性を持とうと

します。

 

たとえば、

「頑固」という言葉を

「柔軟性や協調性がない」

と考えたり、

「頭がいい」という言葉を

「ずる賢い」と判断したり

するということです。

 

つまり、何かの「特徴」を

伝えるときは、”何を伝えるか”

ではなく、”伝える順番”が重要

だということです。

 

そして、それは、

「悪い→良い」の順ではなく、

「良い→悪い」でなければ

ならないということです。

 

先にポジティブなイメージを

打ち込めば、その後のネガティブ

な内容も、相手の脳が勝手に

ポジティブに捉えようとしてくれる

ということです。

 

もし、今まで良いことを後半に

話していたのであれば、一度、

順番を変えてみてください。

 

相手の反応が驚くほど変わって

しまうかもしれません^^

 

桐生 将人

―参考:『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』著:ダニエル・カーネマン、出版:早川書房 (2014/6/20)

 

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

最新の情報を受け取りたい方は

メルマガ登録をぜひよろしくお願いいたします。