※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
内容を再編集して投稿しております。
こんにちは。
桐生将人(きりゅうまさと)です。
「アメリカンドリーム」
…こんな言葉をよく聞くので、
会社で成り上がることができる
のは欧米であり、
日本ではサラリーマンは手堅い
かもしれないが、成り上がること
はできないという印象があるかも
しれませんね。
ですが、現実はこれとは真逆の
ことが起きているといえるかも
しれません。
この理由についても、
「ジョブ型雇用」のことを
知ればその答えがわかります。
そして、優秀なビジネスパーソンほど、
「え、それなら今の日本の雇用システム
の方がいい。ジョブ型雇用なんて導入して
ほしくない」と考えるかもしれません。
欧米では「ジョブ型雇用」が取られて
いることは以前のブログでもお伝え
してきましたね。
そしてその特徴をおさらいすると、
・ジョブ型雇用では、人の能力ではなく、
仕事の内容で給与が決まる
・ジョブ型雇用では、入社した際の仕事
が変わることなくずっとその仕事をする
というものでした。
で、今回はこれに加えてもう1つ
重要な点をお伝えします。
それは、ジョブ型雇用においては、
「ポストの数が最初から決まっている」
ということです。
なぜ、これが重要なのか?
それは、このシステムによって、
ジョブ型雇用の唯一の昇進・昇給の
可能性が潰れてしまうからです。
ジョブ型雇用は仕事で給与が決まる
のですから、自分でキャリアアップ
したいと思ったら、社内でより高い
給与をもらえる仕事に立候補すれば
良いということになります。
もし、これができるのなら、
日本式の雇用システムよりも
どんどん昇進や昇給していける
ようにも感じます。
ですが、これは現実的には
できません。
それはポストの数が決まっていて、
どんなに優秀でも、立候補しても
ポストが埋まっている限り、その
仕事には就けないからです。
その結果、ジョブ型雇用とは、
・ずっと同じ仕事をする
・ずっと同じ給与をもらう
・能力が向上しても社内では
他の仕事にチャレンジできない
ということになるわけです。
その結果、欧米では、
社内でポストがあかなければ、
優秀な社員はポストが空いている
他社に転職するしかなくなるわけ
です。
欧米では転職が多いが、
日本は転職が少ないという
話もよく聞きますが、
これがその理由の一つです。
では、日本はどうなっているのか
というと、日本の雇用システムは
人のためにポストを作ります。
能力の高い人間が出てくると、
今までなかったポストを作って
その人間がキャリアアップできる
機会を用意するということです。
たとえば、「課長」は課の長な
わけですから言葉通りいけば、
課に1人しかいないはずです。
ですが、桐生のサラリーマン時代
に勤めていた会社は、同じ課に課長
が3-4名いましたし、その中でも優秀
な人間が長になる課が新たに作られる
ことも頻繁にありました。
(ちなみに部長は1名でしたが、
その後に「特命部長」という謎の役職
が作られて2名になりました^^;)
つまり、日本は能力によって、
社内で成り上がっていくことが
できるシステムになっている
ということなのです。
さて、これを聞いても、
「ジョブ型雇用の方がいい!」
と思いましたか?
まぁ本当に優秀な人は、
自分が報われないなら独立するか、
転職すればいいだけなので、
どっちでも変わらないですかね^^;
桐生 将人
参考図書:『人事の組み立て~脱日本型雇用のトリセツ~欧米のモノマネをしようとして全く違うものになり続けた日本の人事制度』著:海老原 嗣生、出版:日経BP (2021/4/1)
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