マネジメント

社員の貢献に対してお金を払わないほうがいい理由

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

あなたの会社の社員が、

 

「自社の他の社員のために

自主的に業務時間外に勉強会

を始めようと思います。

先輩社員として自分が講師

をして、皆に貢献したいと

思います。」

 

と言ったとします。

 

こんなことを言ってくれる

社員がいたら…

 

嬉しいですよね^^

 

では、その社員の取組が

始まって、どんどん他の

社員の能力が高まって

いったとします。

 

彼の貢献はすばらしい

ものです。

 

さて、あなたはこの社員の

貢献に対して何か報いたい

と思ったとします。

 

そのときパッと思い浮かぶのが

「その研修に対してお金を払う」

ということかもしれません。

 

ですが、結論からいうと、

これは避けたほうが良いです。

 

それはマイナスになるどころか

下手をすると、その社員は貢献

活動を止めてしまうことになり

かねないからです。

 

以下のような話があります。

 

//////////////////

<以下、意訳・抜粋>

・スイスで行われた住民投票で、

1993年に放射性廃棄物処分地

に関する規則を巡った投票が

あった

・当初、調査対象者の半数は

「イエス」と答えていた

・ここで、政府が受け入れに

賛成してくれれば、補償金

として年2000ドルから6000

ドルを払うといったらどうか?

・今度は1/4しか賛成がなかった

 

―引用・参考(pp.174-175)『MIND OVER MONEY 193の心理研究でわかったお金に支配されない13の真実』著:クラウディア・ハモンド、出版:あさ出版 (2017/6/22)

//////////////////

 

これ、不思議ですよね?

 

お金が払われていないときより、

お金が払われるときの方が協力

してくれる人の数が減ったわけ

です。

 

ちなみにこれは「放射性廃棄物」

というような未知のリスク等が

絡んだようなもの以外でも同じ

結果が認められています。

 

たとえば、

「イスラエルの高校生が

募金のボランティアを

しているときに、報酬

を受け取るようになると

募集金額が減った」

という話もあります。

 

この2点からわかる共通点は、

「お金が絡むと、人は共同体

ではなく、自己の利益を考え

て判断をするようになる」

ということです。

 

前者の場合、当初は社会の

共同体として電気の安定供給

の重要さを考えて半数以上の

市民が賛成をしていました。

 

ですが、お金が絡んだことで、

それぞれの人が自分にとって

2000ドルが欲しいかどうか、

あるいは、こんなにリスクを

負うくらいなら2000ドルなんて

いらない…といった自分目線

の判断をするようになった

ということです。

 

イスラエルの学生も同じです。

 

彼らは当初は社会共同体への

貢献のためにボランティアを

していました。

 

ですが、時給が払われるよう

になると、自分にその時給が

見合っているか、あるいは、

その時給をもらわないで

その仕事から開放されること

を選ぶか、といったことを

考え始めたということです。

 

こういったことから考えると、

冒頭の社員へ報酬を支払う

ことがいかに危険なのかが

わかるはずです。

 

その社員は、会社という

共同体のために貢献する

ことを考えて研修をして

います。

 

ここに報酬が絡んでしまうと、

彼にとってそれは仕事となり、

その報酬が自分に見合っている

のか、とか、その報酬をもら

わないかわりに研修をやめる

とか、そういったことを考える

ようになってしまうという

ことです。

 

とはいえ、社長からすると、

それでも何かしら貢献に

報いてあげたいという気持ち

もあるでしょう。

 

その場合は、その研修の対価

を支払うのではなく、昇進や

昇給で応えてあげるといった

方法が考えられます。

 

とにかく貢献活動に対して

直接お金を絡ませないこと

が重要だということです。

 

ご参考にしてくださいね^^

 

桐生 将人

 

※最新の情報はメルマガで配信しています。

登録は下記からお願いいたします。

▼今すぐクリック▼