人事労務

社員がコロナの濃厚接触になった場合の支援策

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

コロナが落ち着く兆しがまったく

見えませんね…。

 

それどころか、最近、

クライアントの社内でコロナ

感染者が発生したという相談

が多くなった気がします。

 

多くの会社にとって、

社員にコロナ感染者が出たり、

濃厚接触者が出ることは、

他人事とは言えない状況です。

 

そこで、今回は、社内でコロナの

感染者やコロナの濃厚接触者が

出た場合の「社員の所得補償」

についてお伝えします。

 

まず、コロナの感染者が会社で

出た場合、何をすべきか?

 

当然ながら、感染者は病院や保健所

の指示に任せればいいのですが、

その他の社員についてはどうすれば

よいか?

 

それは、濃厚接触者かどうかを

判断するということです。

 

現在は、濃厚接触者の定義が

一定明確になっているので、

それに従って濃厚接触者を

特定してください。

 

そして、濃厚接触者でない社員は

通常通り勤務を継続し、濃厚接触者

の社員は就業禁止を指示します。

 

そして、濃厚接触者についても

保健所のアドバイスも受けつつ、

PCR検査を受けさせることになります。

ただ、ここで1つ重要な問題が

あります。

 

現在、PCR検査は受けてから結果が

出るまでに2-3日程度と言われて

いますが、そもそもすぐに受けられ

ない場合もあるでしょう。

 

コロナ感染の疑いが生じてから

1週間くらい出社できない社員も

珍しくありません。

 

では、このPCR検査を受けるまで、

そして結果が出るまでの給与は

どうなるのか?

 

当然、会社によりますが、

多くの会社は「払わない」

ということになります。

(そして、それは法律違反ではない)

 

ですが、これでは社員が困って

しまいますよね。

 

特に、濃厚接触者となりながら

実際は感染していない元気な社員

にとっては腹立たしい話と言える

でしょう。

 

ここで知っておきたいのが、

国による「社員の所得補償」の

制度です。

 

まず、感染者については、

業種によって労災の対象となります。

 

あるいは、労災が対象にならない

場合でも社会保険に加入して

いれば傷病手当金の対象となります。

 

これらを活用することで、

大体社員の給与の67%-80%程度を

国が補償してくれます。

 

次に、濃厚接触者です。

 

濃厚接触者は、結果的に陰性の場合、

傷病でもなければ、労災でもありません。

 

ですから、これらの補償の対象には

なりません。

 

では、濃厚接触者は休んだ分の給与

がもらえず泣き寝入りか…

と思っていたのですが、実は、

一つだけもらえるお金がありました。

 

それが、

「新型コロナウイルス感染症対応

休業支援金・給付金」

です。

 

これは当初、雇用調整助成金を活用せず、

休業手当を支給してくれない会社に勤務

する社員を救済するために作られた制度

でした。

 

つまり、本来の趣旨は、コロナの影響で

事業を縮小し、休業を実施せざるをえない

会社の社員に向けられたものです。

 

だから、当初、コロナの濃厚接触によって

休んだ人は対象外と思っていたのですが…

 

先日、コールセンターに確認したところ、

衝撃の事実が発覚しました。

 

それは、こんな話です。

 

「濃厚接触者として保健所の指導

があって社員を休ませた場合は、

この給付金は対象になりますか?」

 

「なりませんね。」

 

「じゃあ、濃厚接触者がこの給付金

を使うことはできないということですね?」

 

「いえ、保健所の指導により、

“会社の判断で休業指示をした”という

ことであれば対象になります。」

 

要は、事業の縮小といった

本来の趣旨はどうでもよく、

最終的に「会社の指示で休業

させた」と会社が認めれば、

濃厚接触者でも利用できて

しまうということです。

 

え…?こんなんでいいのか…?

 

と思いましたが、「良い」という

のなら使わない手はないですよね。

 

さらにいうと、この「新型コロナ

ウイルス感染症対応休業支援金・

給付金」は、雇用調整助成金とは

違って生産性が下がったとか休業

規模が一定以上必要だとか細かい

要件がありません。

 

なので、濃厚接触者1人から使う

ことができます。

 

また、申請自体も基本は社員自身が

行う給付金なので、会社にも手間は

かからず、当然会社は1円も払う必要

はありません。

 

現時点では、この給付金は、2/28

の休業までで終了とされていますが、

緊急事態宣言の延長により、こちら

も4月末まで延長すると言われています。

 

今まで活用していなかった会社は

ぜひ活用を検討してみてはどうでしょう?

 

ちなみに、この給付金は、

10月〜12月までの休業は3月31日まで、

それ以降の休業は、5月31日まで

申請を受け付けています。

 

今まで濃厚接触者として休んだ社員が

いるならその分も申請するように勧めて

あげるのはいかがでしょう?

 

ご参考まで!

 

※細かい要件等は以下で確認してくださいね。

★新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金

https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html

 

桐生 将人

 

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