※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
内容を再編集して投稿しております。
こんにちは。
桐生将人(きりゅうまさと)です。
専門家の罪ってなんでしょう?
助成金の詐欺やら、
脱税幇助やら、
まぁ色々あるでしょう。
ですが、こんなあからさまな
罪はまもとな人なら犯しませんよね。
ただ、そんなまともな専門家でも、
知らず識らずのうちに犯して
しまう罪があります。
先日こんな話を聞きました。
「値落ちしないブランド品を買って、
経費にすれば、資産保全と節税を
同時に成し遂げられる。
そのための対策として、古物商の
許認可をとっている。」
この話を聞いたらどうでしょう?
ブランド品に興味のある経営者の方なら、
「自分も早速、古物商を取って
ブランド品節税をスタートしよう!」
なんて思うかもしれません。
ですが、もし、この専門家が
特殊な方法を取っていない
のであれば、この話は普通に
間違っています。
というのも、もし、古物商として
ブランド品を仕入れたのなら、それは
あくまで「仕入れ」になるからです。
仕入れは売却等の取引が成立する
までは損益が確定しませんから、
当然仕入れ額をそのまま経費計上
することはできません。
あるいは、社長個人が自社から
安く買い取って損を計上するという
方法かもしれませんが、会社と社長
の取引しか行われない古物商に営業
の実態はありませんから、やはり、
「税務署に突っ込まれなければ
ラッキー」という低レベルの手法
と言えます。
こんなことは誰もが簡単に
わかるような気がしますが、
その専門家を信頼している方々は
盲目的にその手法を信じている
ようでした。
では、なぜ、こんな脱税まがい
の手法を信じてしまうのか?
先日読了した中野信子さんの自伝
「ペルソナ 脳に潜む闇」の中には、
以下のような話が紹介されていました。
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面白い実験がある。科学雑誌「PLOS
ONE」に掲載されたもので、
エモリー大学のグレッグ・バーンズら
による研究だ。
これは金銭に関わる選択を行う際に、
専門家からアドバイスを受けると、
意思決定をつかさどる脳の部位が活動
を停止するということだ。
さらに、興味深いことに、専門家の
アドバイスが的確でない可能性がある
ことがわかっているときでも、同じ
反応が起きてしまうという。
―引用(No.1043-1049):『ペルソナ 脳に潜む闇』著:中野信子、出版:講談社 (2020/10/21)
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ここからわかるのは、
専門家が間違ったことを
伝えていても、その顧客の
脳は停止状態にあるので、
盲目的に専門家の言葉を
信じてしまうということです。
ということは、専門家はよく
「最終的にはあなたが判断して
ください」と言いますが、
信頼関係が深まっていくほど、
顧客はその判断ができなく
なっていくと言えます。
冒頭の話もまさにこの事例の
通りで、顧客は、専門家の
不勉強による(節税ではない)
脱税手法を盲目的に信じて
しまったということです。
そして、この専門家は、
自身の不勉強により脱税の指南
をしてしまったとも言えます。
当然ですが、その専門家も
故意にそんなことをしようと
したわけではないと思います。
ですが、脳が停止状態の顧客に
決定を委ねて、結果的に間違った
方向に導いてしまったこの事例は
まさに、専門家が知らず識らず
のうちに犯してしまった罪だと
言えますよね。
ということで、
もし、あなたが専門家なら、
顧客を知らず識らずのうちに
騙してしまうようなことがない
ように、知識を常にアップデート
しましょう。
(顧客の脳が停止状態なら、
アドバイスの信憑性の判断を
委ねることはできませんからね)
もし、あなたが専門家を使う側
の人間なら、脳が停止状態に
なってしまうことを知ったうえで、
なるべくアドバイスに対して、
質問をするようにしてみてください。
(質問をするためにアドバイスに
集中するので、脳の停止状態を
多少防げるはずです)
桐生自身は、専門家であり、
複数の専門家(税理士、弁護士等)
も抱えているので、どちらも
しっかり意識していかないと
いけませんね^^;
桐生 将人
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