人事労務

手書きの出勤簿を書くのは社員本人?実は・・・

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

タイムカード使っていますか?

 

手書きのところもあれば、

「ガッチャン」と打刻する機械を

使っている会社もあるでしょう。

 

給与計算をする側からすると、

「タイムカードシステム

またはExcelでの手入力」

だと集計が楽で、

「打刻の機械または手書き」

だと転記しないとならないので

面倒といった感じです。

 

ただ、会社側に立つと、

いまだにシステムや機械を

使うことにはリスクがあります。

 

というのも、システムだと、

「本当に働いている時間」

が見えずに、単に出社と退社

の時間を記録してしまうこと

が多いからです。

 

たとえば、こんな社員って

多くないですか?

 

会社に来たら、すぐに出社

の打刻をする。

 

仕事を開始すると思いきや、

まずトイレに行って、その後

に給湯室でコーヒーを入れる。

 

他の同僚と昨日のテレビの

話をして、始業時間近くまで

時間を潰す。

 

始業時間になると、やれやれ

と仕事を始める。

 

もちろん、終業も一緒です。

 

終業時間になるとすぐに

帰る準備を始める。

 

バッグに荷物を入れてから、

しばらくこのあとの友達と

の予定をスマホでチェック。

 

同僚と雑談をしながら、

給湯室でコーヒーカップを

洗って、ようやく会社を

出るときに打刻。

 

このすべての時間が入ったのが

「システム上の就業時間」に

なってしまうわけです。

 

こういったことの対策として、

 

「大丈夫!うちは15分単位で

切り下げしてるから!」

 

という社長がいます。

 

ですが、この15分に何の根拠もなく、

社員の合意もなければリスクの高い

手法だと言わざるを得ません。

 

そもそも、労働時間は1分単位の

管理が原則ですから、綺麗に15分単位

で揃っている出勤簿は、明らかに

恣意的なものを感じますからね^^;

 

で、これを防ぐ方法として、

もっとも簡単な方法は手書き

またはExcelでの手入力です。

 

手書きであれば、出社と退社の

打刻がありませんから、実際の

労働時間を記入することができます。

 

ちなみに、行政は、勤務時間の

操作を防ぐためにも手書きを

なるべく止めることを推奨して

います。

 

ですが、会社側に立って考えると、

やはり管理ができる間は、手書きや

手入力が良いと考えています。

(社員数が多くなったら集計の手間

や不正のリスクが大きくなるので

システムの方が良いです)

 

では、この手書きの出勤簿は、

誰が手書きをするのが好ましいと

思いますか?

 

多くの方は「社員本人」と答えると

思います。

 

もちろんそれでもOKですが、、、

 

満点の答えではありません。

 

この質問のヒントは

「会社に労働時間の把握

義務がある」ということです。

 

これでおわかりかもしれませんが、

満点の答えとは、

 

「現場長が労働時間を把握して、

労働時間を記録し、社員にも確認

してもらって認印をもらう」

 

というものです。

 

一般的には、

「出勤簿を会社が作る

なんてとんでもない!」

なんて思われているかも

しれません。

 

ですが、それが「正しい」

ということです。

 

ちなみに、上記の満点の対応では、

「会社が作成」と「社員への確認」

の2つの要素が入っています。

 

驚くかもしれませんが、

このうち「社員への確認」が

なかったとしてもダメとは

言えません。

 

逆に言うと、社員が作成したものを

会社が確認しなかったとすれば、

そっちの方が「労働時間の把握義務

を怠った」ということになるわけです。

 

とはいえ、当たり前ですが、

それを良いことに、残業時間を

少なく計上したり、就労時間を

いたずらに短くすれば、労働問題で

痛い目を見ることになります^^;

 

ということで、、、

 

今回の話で最も重要なのは、

「出勤簿を正しいものにする

のは、会社の義務である」

ということです。

 

会社は社員の出勤簿を修正し、

正しいものにしなければ

ならないのです。

 

もし、社員から

「会社が出勤簿を作る

のはおかしい!」

「会社が出勤簿を修正する

のはおかしい!」

と言われたら、、、

 

「会社の義務ですから」

と言ってください^^

 

桐生 将人

 

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

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