マネジメント

ノミのジャンプの話を信じてないですよね?

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

「ノミのジャンプの話」って

知っていますか?

 

自己啓発のセミナーなんかで

よく語られる話で、以下のような

内容です。

 

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・ノミはジャンプ力がすごい

・人間に例えると、

ビルの30階くらい飛べる

・だが、コップの中に閉じ込めると

ジャンプしてもコップの天井に

何度もぶつかってしまう

・その結果、自然とコップの天井に

当たらないくらいのジャンプしか

しなくなってしまう

・その後、コップから出しても、

そのノミは(もうコップはないのに)

コップの高さくらいの高さしか

飛べなくなってしまう

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この物語を使って、

自己啓発系の方々は、

「今まで抑え込まれてきた、

あなたのメンタルブロックを

開放しましょう!」

みたいな話をするわけです。

 

まぁ、それはまだわかります。

 

ですが、違和感があるのは、

この先の話です。

 

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・その飛べなくなったノミを

再度飛べるようにするには

どうすればいいか?

・それは、高く飛んでいるノミの

群れに戻すということ

・そうすると、そのノミは、

高く飛べることを思い出して、

飛べるようになる

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この話を自己啓発系の方々は、

「だから、優秀なコミニティに

参加することが重要なんだ!」

というわけです。

 

桐生自身もこの話を長いこと

「なるほど〜!」といった感じで

盲目的に信じてきました。

 

ですが、あるときに、ふと違和感を

感じたのです。

 

たとえば、これを人に置き換えて

考えてみます。

 

山田さん(仮名)は経理の仕事を

担当しています。

 

山田さんは経理の仕事にそれなりの

キャリアもあり、簿記1級も持って

いるスペシャリストです。

 

山田さん自身も経理の仕事が

自分に合っていると思って、

一生懸命仕事をしていました。

 

そんな山田さんを信頼し、

色々と任せてくれる上司のもと、

山田さんは色んな提案もして

バリバリ活躍していました。

 

あるときに、そのお世話になった

上司が異動となりました。

 

新しく配属されたのは、非常に厳しい

と有名な上司でした。

 

その上司は山田さんの自由な仕事の

やり方をすぐに廃止しました。

 

そして、「自分の言う通りにやって

いればいいんだ」とやり方をすべて

変えてしまいました。

 

山田さんの考案した方法はどんどん

廃止され、慣れていない上司の方法での

経理にミスが発生しました。

 

山田さんは毎日のようにミスを咎められ、

どんどん自信を喪失していきました。

 

なんとか事態を打開しようとして、

業務の改善提案を行いました。

 

ですが、その上司は聞く耳をもたずに

その提案も却下されてしまいました。

 

身も心もボロボロになった結果、

山田さんはその仕事を退職する

ことになりました。

 

まさに、今の山田さんは、コップの

中のノミのようになっているわけです。

 

では、この状態の山田さんを、

超優秀な経理社員がたくさんいる

会社に転職させたらどうなるでしょう?

 

「そうだ!俺はこの人たちみたいに

優秀な人間だったんだ!」

なんてなりますかね…?

 

普通に考えれば、身も心もボロボロな

ところに、優秀でバリバリ経理で働いている

姿を見せつけられれば、さらに心が折られる

と思いませんか?

 

「この人たちは、仕事もできるし、

上司にも信頼されている。

なんて自分はダメなんだろう…。」

こうなるのが自然だと思いませんか?

 

すごく簡単な話ですよね。

 

人間には心があります。

 

ノミとは違うのです。

 

では、「ノミと人間は違う」と

わかったところで、、、

 

身も心もボロボロになった山田さんが

息を吹き返す方法をあるのか?

 

その一つの方法は、

「自分より遥かに”低い”レベルの

人の群れに入れる」

ということです。

 

たとえば、ある町工場でがんばっている

会社があったとします。

 

高齢の社長が1代で築き上げた工場です。

 

経理は高齢の奥さまがずっと紙と鉛筆で

こなしていました。

 

ここ最近、その技術力が認められて、

一気に売上と仕入れが増えてしまい、

法人化もしたことで、経理がさすがに

どうにもならない状況になりました。

 

そこで、経理を募集したところ、

山田さんが就職したとします。

 

今まで、経理担当の奥さまは、

紙と鉛筆しか使ったことがありません。

 

そこに山田さんがパソコンと会計ソフトで

バシバシ経理入力をしていったとします。

 

正確さは10倍、かかる時間は1/10に

なったとしましょう。

 

山田さんは、毎日のように、

社長や奥さま、工場の方から

言われるわけです。

 

「山田さんすげー!天才だ!」

「うちの工場の救世主だ!」

「本当に山田さんがいてくれてよかった!」

 

こうなったときに山田さんは

どうなるでしょう?

 

もちろん最初は「バカにしやがって」と

うがった見方をしてしまうかもしれません。

 

ですが、実際にバカにされているわけ

ではないのですから(工場の方は心から

すげー!と思っているわけですから)、

嫌な気持ちはしないと思います。

 

そして、彼はだんだんと自分の居場所を

取り戻していきます。

 

そして、メンタルの安定はもちろん、

「より貢献したい」という気持ちから

自己成長をしていくことができる

ということです。

 

この話の方が、ノミの話よりも

よっぽど納得感がありませんか?

 

要は、ノミの話はノミの話なのです。

 

人とは違うのです。

 

それを無理やりストーリーの力を

使って信じ込ませるような人が

あまりに多いです。

 

あなたが自分のことを「ノミと似ている」

と思うなら別ですが…^^;

 

ストーリーの力でなんとなく信じ込ませ

ようとする話にはご注意を。

 

桐生 将人

 

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

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