こんにちは。
桐生将人(きりゅうまさと)です。
以前、お酒を復活したことをお話しました。
それから色々と飲んでいるのですが、
特に白ワインが好きです。
ワインの詳しい方が教えてくれたのは、
「ワインの中で自分の好みを見つける
には、産地や国ではなく、ぶどうの品種
で比べなさい」ということでした。
早速、ぶどうの品種を飲み比べてみた結果、
桐生は、赤ワインならピノ・ノワール、
白ワインならシャルドネと決めています。
(白ワインは少数の例外あり)
で、今まで白ワインは適当に
シャルドネを買えばいいや〜と思って
いたのですが、最近になって、もっと
自分の好みを追求したくなりました。
ということで、有名どころの白ワインを
買ってみて、シャルドネの中でも自分の
好みの方向性を見つけようと考えたのです。
買ったのは3つ。
・ブシャールのシャルドネ
・ムルソー
・DRCの共同経営者が作った白ワイン
…なんか1つ変なのが混ざっていますよね。笑
ブシャールとムルソーは、高級店なんかで
よく目にするものだったので、1度飲んで
みようと思って選んだものです。
一番最後のものは、「DRCの共同経営者」
というところで選びました。
“DRC”は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティの
略で、知っている方も多いと思いますが、
1本300万円する赤ワイン「ロマネ・コンティ」を
製造している醸造所です。
そこの共同経営者がつくった白ワインという
ことですから、きっと凄いワインなのだろう
と思って買ったわけです。
で、到着したので、早速開けました。
「うん…。美味しくない!!」
これ、感想です。笑
一緒に飲んだ人も同じ感想でした。笑
もちろん人には好みがあると思います。
ですが、明らかに、その前に飲んだ
白ワインより、味に深みも複雑さもなく、
アルコールを強く感じるような味でした。
そのときに思い出しました。
その数日前に、ビジネスパートナーの家に
持っていったスパークリングワインがありました。
本当はシャンパンをお持ちしたかったのですが、
なぜか近くのお店で売り切れていたため、
仕方なく面白いキャッチフレーズのついた
スパークリングワインを持っていきました。
そのキャッチフレーズは、
「ワイン評論会でドンペリより美味しいと
評価された!」というものでした。笑
そして、その会に参加していた方と一緒に
そのスパークリングワインを飲んでみました。
(もちろん、そこにいる方々は、
ドンペリを飲んだことがあるような方です)
感想は、
「ドンペリの方が美味しいよね」
というものでした。笑
こういったことって本当に多いです。
たとえば、
・1本7-8万円する「サロン」というシャンパンの
隣の畑で作られた1-2万円のシャンパン
・1本5万円する「オーパスワン」という赤ワインの
隣の畑で作られた5千円の赤ワイン
こういうものがいっぱいあります。
ですが、それらは味が本当に全然違います。
本物と比べると足元にも及ばないくらい
“感じる味”が違うのです。
それは、製造や輸送にかけているコストが
違うのか、脳を高揚させるブランドイメージ
によるものなのか、それを飲む場がお祝いの場
だからなのか、、、
それはわかりません。
ですが、まったく違うのです。
そこで気付いたことが2つあります。
1つ目は、自分の名前で勝負できない奴は
しょぼいってこと。
もう1つは、とはいえ、自分の名前で勝負
すれば正当な評価を受けられるのに
もったいないということです。
たとえば、この「DRC共同経営者」という
冠のついた白ワインですが、
本当に美味しいもので、自信があるなら、
単純に、自分の名前で勝負すればいいわけです。
それを「DRC」という巨人の肩に乗ろうと
したということは、その時点で、その本体
は小人だと判断されてしまいます。
たとえば、シャンパンでドンペリは有名
ですが、同じくらいの価格帯に、クリュグ
やクリスタルといったシャンパンがあります。
このクリュグやクリスタルが、自分たちの
販売文句に「ドンペリより辛口!」とか、
「ドンペリよりまろやか!」とか
他の商品の名前を使うことはありません。
普通に、クリュグは「クリュグ」、
クリスタルは「クリスタル」として
売られています。
つまり、実力があるものは、
さらに上の商品があったとしても、
「自分の名前で勝負する」
ということです。
桐生が買ったスパークリングワインも
本当にドンペリよりも美味しいなら、
自分の名前で勝負すればいいわけです。
サロンの隣の畑のシャンパンも、
オーパスワンの隣の畑の赤ワインも
同じです。
まったく名前すら覚えていません。
ただ、覚えているのは、
「本物よりも美味しくなかった」
ということだけです。
だからこそ、もったいないとも
思うわけです。
それは、それらが自分の名前で勝負
しなかったことによって、正当な評価
を受けられなかったからです。
「DRCの共同経営者」の白ワインは、
シャルドネ100%のフランスブルゴーニュ
の白ワインでありながら、値段は5,000円を
切っていました。
なので、先入観なしで評価をすれば、
比較的リーズナブルでコスパの良い
優秀なワインだったのかもしれません。
ですが、”DRC”という巨人を持ち出した結果、
そのレベルのワインを基準に比べられて
しまったということです。
オーパスワンの隣の畑の赤ワインも同じです。
高級ワインの隣の畑のぶどうを使っていれば
それなりに美味しい赤ワインだったかもしれません。
ですが、オーパスワンという巨人を
持ち出した結果、「オーパスワンと
比べて全然美味しくないじゃない」
と思われてしまうわけです。
単体だったら美味しいと評価されたかも
しれないのに…。
こういったことを話すと、
「でも、そもそも無名の頃は巨人の肩に
乗るというのがマーケティングの鉄則だ!」
という方もいるでしょう。
もちろんわかります。
ペプシコーラが今あれだけ有名になって
いるのも、「コカ・コーラより美味しい」
というCMを打ったからですよね。
もちろん、そういった考えもあるでしょう。
ですが、現在は「個の時代」と言われています。
フリーランス起業も増えてきて、
コロナショックによりその流れは
もっと加速すると言われています。
そういった1:1の商売や桐生のように
BtoBの商売を小規模でやっている会社
(つまり、ミクロの世界)になると、
話は変わってきます。
というのも、僕らのような「自分が商品」
という場合はブランディングがめちゃくちゃ
大切なわけです。
そんな僕らが、安易に誰かの巨人の肩に
乗ろうとすれば、逆に自分の価値を下げる
ことになりかねないということです。
巨人の肩に乗るということは、
自分の実力ではなく、ひたすら
自分と実力ある人との関係を
アピールするということです。
イメージとしては、
「あ〜!あの人(すごい人)ね!
俺知り合いだから!」
みたいなことを言っている人を
想像するとわかりやすいです。
こういう人に実力があるとは
思えないですよね。
でも、こういう人にも、
その人なりの良さやそこそこの
実力があるかもしれないわけです。
ですが、巨人の肩に乗ったせいで
その巨人と比べられて
正当な評価が受けられないとすれば、
自分のクビを締めていることになる
ということですね。
ということで、今回は、
自分の名前で勝負しないやつの
しょぼさともったいなさについて
考えてみました。
桐生は、自分の実力を無理に大きく
見せるのではなく、着々と実力を
付けて正当な評価を受けていく方が
ビジネスは長続きすると考えています。
とはいえ、今日取り上げたワインは
巨人の肩に乗ることでそれなりに
売れていると思いますから、
一発屋でも売れたいと思うなら
それも良いかもしれません。
桐生は、巨人の肩に乗るのではなく、
自分が巨人になれるように、自分を
磨き続ける道を選びます^^
桐生 将人