人事労務

社員の反乱が起きる会社と起きない会社

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、

桐生は常に大体13社くらいの人事役員、

人事部長、人事担当として直接的に

クライアントの社員と関わっています。

 

そこで最近あることに気付きました。

 

それは、同業種の会社において、

ある会社では労働問題がよく起きて、

ある会社では労働問題があまり起きない

ということです。

 

もう少し正確にいうと、

ある会社では明確な理由がない

理不尽な労働者からの文句が噴出し、

ある会社ではそういったことが

ほとんど起きない

ということです。

 

経営者なら誰しも、後者の会社側に

行きたいと思いますよね?

 

桐生も自分のクライアント企業が

後者の側になって欲しいわけで、

その理由を探っていました。

 

で、先日、その理由の1つが

判明しました。

 

今回はその理由をシェアしたいと思います。

 

最初の頃からこの2社の違いを色々と

考えていました。

 

「処遇はどうか?」

 

処遇ならむしろ、前者の方が良いし、

柔軟な対応をしてもらえている。

 

「事務所の場所や綺麗さ?」

 

これも前者の方がきれいだし、

居心地も良さそう。

 

「社員の質や相性の良さ?」

 

これも大きな違いはないし、

後者の方が運良くて、

質や相性の良い社員ばかり

来ているなんてことも考えにくい。

 

「社長が優しいか恐いか?」

 

これはあるかもしれないけど、

これが理由だったら再現性が

ないのでスルー。笑

 

「では他に何があるか…?」

 

まぁ、色々あるわけですが、

最終的に”結果に違いを生み出した違い”は

「人数」にありました。

 

前者の会社は人数が少ない会社で、

後者の会社はそれなりの人数がいた

ということです。

 

こう聞くと、

「なるほど!社員の絶対数が

多ければ労働問題が起きにくいのか!」

と思うかもしれませんが、

そうではありません。

 

ここでいう「社員の人数」というのは、

「社員の絶対数」の話ではないからです。

 

そもそも、「社員の絶対数」が多ければ、

分母が大きい分、労働問題の数も多くなる

のが普通ですからね。

 

今回の話で重要なのは、

「社員の人数」の定義が、

「社員の絶対数」ではなく、

「魅力的なポジションの取り合い

をする社員の数」である

ということです。

 

たとえば、あなたの会社に部長職の

ポストが1つだけあったとします。

 

そこに就ける(就きたい)人が1人

しかいなかったらどうなるでしょう?

 

本人はそのポジションを奪われる

恐怖感を感じることはありません。

 

そうなるとだんだんと逆の感情が

起きるようになります。

 

それは会社への感謝どころか、

「自分がいなくなったら困るだろ」

という感情です。

 

さらに他の社員にそのポジションが

魅力的に映らないように、なるべく

「大変な仕事である」ということを

演じるようになります。

 

その結果、その社員は会社に対して

理不尽な要求をするモンスター社員化

してしまうということです。

 

では、もし、あなたの会社に

1つの部長職のポジションを狙う

人間が2人いたらどうでしょう?

 

あなたは、そのうちから1人を

そのポジションに置くわけです。

 

もし、その2人の仲が悪いとしたら

最高です。

 

なぜかって、そのうちの1人は、

部長職に就いている人が文句を

言って辞めてくれれば自分がその

ポストを奪えると思っているからです。

 

逆に、その部長職に就いた人間も

それを知っています。

 

結果として、部長職に就いている

人間は会社に対してより貢献することで

自分の立場を守ろうと考えるように

なります。

 

もう1人の候補も、ライバルの失脚後に

自分がそのポジションをとるためにも

会社により貢献しようと思うように

なります。

 

これが2社の違いでした。

 

前者の会社は、ポジションに対して

常に1人の候補しかいない状況が

続いていました。

 

後者の会社は、ポジションに対して

常に複数人の候補がいて、ライバル

関係も生まれていました。

(ライバルといっても、簡単に言えば

社員同士の好き嫌いです^^;)

 

これが労働問題の発生数に”違いを

生み出していた違い”の1つだった

ということです。

 

繰り返しになりますが、これは何も

社員の「絶対数」が重要なわけでは

ありません。

 

もちろん「絶対数」が多ければ、

この環境が実現しやすいと思います。

 

ですが、「絶対数」よりも重要なのは、

 

・魅力的なポジションを作ること

・ポジションの候補を複数人にすること

 

の2つです。

 

たとえば、100人いても部長候補が1人

では意味がありません。

 

逆に3人の会社でも部長候補が3人で

ライバル関係になっているなら意味が

あります。

 

つまり、これは意識することで、

社員数が少なくても真似できる

方法と言えます。

 

もし、今あなたの会社が

社員の理不尽に苦しんでいるなら、

ぜひ今回の話を参考にしてくださいね。

 

桐生も自社に魅力的なポジションを

しっかり作ろうと思います^^

(現在、理不尽な文句に苦しんでいる

わけではないですが…。笑)

 

桐生 将人