人事労務

裁判所すら認める会社の権利とは?

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

「会社と社員が戦ったら

大体会社が負けるものといえば?」

と質問すれば、

 

ほとんどの経営者は

「労働問題!」と

即答するでしょう。笑

 

それくらい人事労務の分野は

「社員側に有利」というイメージが

定着していると思います。

 

ですが、

「本当に何一つ会社が有利に扱われる

ものはないのか?」というと、

そんなことはありません。

 

裁判になった場合すらも

会社側が有利に主張できる

権利があります。

 

それは、「配置転換」の権利です。

 

「配置転換」という言葉はあまり聞かない

言葉かもしれませんが、

たとえば、転勤とか職種変更なんかも

「配置転換」に該当します。

 

つまり、東京勤務の人を北海道に

転勤させたり、事務社員だった人を

営業職にするなんてことも

「配置転換」に該当します。

 

「え?そんなことしたら、

『辞めさせるために飛ばされた!』とか

『営業に職種変更されて自主退社に

追い込まれた!』とか言われるでしょ?」

と気になるかもしれません。

 

もちろん「辞めさせること」を

目的にそういうことをしたなら…

「不当である」とみなされるかも

しれません。

 

ですが、ちゃんと根拠をもって、

転勤や職種変更をすれば会社側の

権利は高い確率で守られます。

 

そして、誰を職種変更したり、

転勤させるのかということについて、

国の決めた明確な判断基準はありません。

 

つまり、会社側がその判断基準を

作ることができるということです。

 

たとえば、

「彼女は事務よりも営業の才能が

あると判断しました」とか

「彼は優秀なので新規開拓を

試してほしい」とか

そういうもので良いわけです。

 

また、会社が「配置転換」の判断を

する際に、社員の個別事情を必要以上

に考慮する必要もありません。

 

たとえば、よくある個別事情として、

「家を買ってしまった」とか

「子供が保育園に入っている」とか

「奥さんが仕事を辞めなければ

ならない」とかそういったことが

相談されるかもしれません。

 

ですが、会社の定めた基準に従った

「配置転換」を行っていて、

会社として必要性があって行ったもの

であるなら、結果的に個別事情を

考慮できなかったとしてもあまり

問題になりません。

 

というのも、労働法も労働問題も

会社と社員本人との問題ですから、

持ち家に住める権利とか、

子供の保育園生活の継続とか、

社員の奥さんの職を守るようには

できていません。

 

僕はいつも驚くのですが、

こんなに経営者にとって

有利な「配置転換」の権利を、

多くの経営者が手放している

ということです。

 

どういうことかというと、

この「配置転換」は、

就業規則や労働契約書等に

記載することによって

初めて権利を得るものだからです。

 

これを知らない経営者は、

就業規則に「配置転換」の文言を

いれていないのです…。

 

あるいは、必要もないのに、

「会社と社員の合意のもと決める」

とか無駄な文言を入れてしまい、

会社が一方的に使える権利を

手放しています。

 

もし、就業規則をお持ちなら、

今すぐ「配置転換」の文言が入っているか

確認してください。

 

使い方がわからないにしても、

あとで揉めたときに、

この文言が入っているかどうかで

戦い方も変わってきますよ。

 

桐生 将人