こんにちは。
桐生将人(きりゅうまさと)です。
経営者にとっての永遠の課題の1つとも
言える議論として、
「給与は固定と歩合どっちが良いのか?」
というものがあります。
お互いの意見としては、
歩合給派は、
「やった分だけもらえる方がやる気が出る!」
というでしょうし、
固定給派は、
「生活の安定が確保されないと安心して働けない!」
といいます。
では、この固定給派の言い分である
「安定」がもたらすものは何か?
これを考えるにあたって、
最近よく聞く「ベーシックインカム」を
取り上げてみます。
ベーシックインカムは、よくホリエモンこと
堀江貴文氏や元2ch管理人のひろゆき氏が
「導入すべき」という意見を述べています。
そもそもベーシックインカムとは何か
というと、生存権の一つとして、
たとえば、「毎月7万円」を一律に
国民に配るというような制度です。
このベーシックインカムを導入すれば、
生活保護はなくなり、年金の問題も
なくなると言われています。
こういった話を聞くと、
ベーシックインカム的な給与形態である
「固定給」または「固定+歩合給」が
会社経営においても最適に思えます。
ですが、実は、この一見画期的な
アイディアであるベーシックインカム自体は
すでにイギリスで実施されたことがあり、
失敗しています。
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「生存権」を大胆に認めた
スピーナムランド法は、
イギリス全土に急速に広まって
いきますが、1834年にあえなく
廃止されてしまいます。
(中 略)
最低所得保障はまず、
労働の倫理を破壊しました。
懸命に努力してもさぼっても
受け取る所得が同じになるのなら、
雇用主のために働くのは
バカバカしいだけです。
こうして、ひとびとは自尊心を
捨てて貧乏を好むようになりました。
(中 略)
最大の被害者は、
「物乞いとして生きていくのは御免だ」
という自立心の強いひとたちでした。
―不愉快なことには理由がある(著:橘玲)
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つまり、ベーシックインカムを
導入するとどうなったか?
もともとやる気のない人は、
「そんなにお金いらないから
固定給部分だけでいい」
と思って、もっと働かなくなりました。
逆に、もともとやる気のある人
の歩合給部分はやる気のない人の
ベーシックインカムに回されて、
給与が減少することになってしまい
破産することになりました。
結果として、すぐにこの制度は
破綻したそうです。
この歴史の失敗を教訓とするのなら、
今の固定給だらけの賃金体系はある意味で
失敗した方法をとっているようにも見えます。
実力主義にしすぎるのも色々な弊害を
生むかもしれませんが、優秀な社員を
もっとひいきして良いのかもしれません。
ちゃんと社員を差別してあげていますか?
桐生 将人
参考図書『不愉快なことには理由がある』著:橘玲、集英社 (2016/6/23)
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