こんにちは。
桐生将人(きりゅうまさと)です。
以前に、ある会社のサラリーマンから
こんな話を聞きました。
「営業数字が悪くて上司から怒られたので、
休日出勤して、上司に説明するために、
数字が達成できるような絵空事の資料を
作らなければならない」と。
よくある話ですよね^^;
桐生がサラリーマンのときもこんな話が
たくさんありましたが、傍から見ると、
まったく意味のない活動ですよね。
だって、実際とは乖離した
架空数字を計算して、
目標達成できる”可能性”を
見せるだけの資料です。
そんなことをさせている
くらいだったら、1件でも多くの
お客さんに訪問して紹介依頼でも
したらいいのに…。
そんな風に思いますよね。
ですが、大企業の中間管理職の現実は、
こういう仕事がかなりの割合を
占めていると思います。
では、彼らはこの特殊な仕事の経験から
どういった能力を習得しているのか?
目標立案能力?
文章作成能力?
交渉力?
いやいや、こんな汎用的な能力は得られません。
得られるのは、
「その会社における
その会社の上司を説得するための
資料作成能力」
です。
なぜなら、まず、現実的でない
数字合わせをしているだけですから
「目標立案」の能力が高くなる
とは到底思えません。
そして、その文章や資料はあくまでも
その会社で使われる構成なので、
他の会社でも使えるとは限りません。
(そして大企業は特に自社フォームに
こだわりがちなので、汎用性が低い^^;)
よって、これも汎用的な能力が
得られるとは言い難いです。
加えて、こういった
「上司を説得するための資料作り」は、
実際のところ、資料を作っているのではなく、
文化に従っているだけだったりします。
つまり、その企業の文化として
引き継がれている
1.数字が合わない場合は上司が怒る
2.上司に納得してもらうために定型資料を作る
3.上司がじゃあ頑張れとケツをたたく
というイベントを行っているだけです。
ということで、大企業の中間管理職は、
まったく汎用性がなく、その企業でしか
使えない特殊能力を習得していることに
なるわけです。
では、誰がこんな意味のない能力だけを
育てるようにしたか?
それは、間違いなく大企業です。
大企業が社員の離職を防ぐために、
自分の会社でしか役に立たない人間を
育てているわけです。
多くの大企業の優秀な人間が
いくら働いても独立できなかったり、
独立して食べていける人間に育たないのは、
この仕組みが問題なのかもしれません。
もちろん、その中でも自分で勉強して、
自分の能力を向上させて独立していく
人間もいますが、ほとんどの人は
そうなりません。
そして、働いて昇進していくほど、
その企業の中でしか通用しないスキル
ばかりを習得していくことになるわけです。
もっと飛び出していく人間が出てきたら、
日本の未来も明るいのになぁ…と
いつも残念に思います…。
桐生 将人