起業

最近改めて思う”年商追求”の不合理

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

最近思うのですよ。

 

多くの会社がコロナショックによって

苦しんだのは、年商追求による規模拡大

によるものだということを。

 

今回特に苦しかったのは、売上がなくても

かかってくる固定費…特に人件費と家賃

だったと思います。

 

さらにいうと、その人件費と家賃を賄う

ためにはそれだけの売上があることが

前提なわけですが、今回は、その売上を

生み出してくれる取引先もダメージを

受けています。

 

その結果、自社内の固定費による

ダメージと取引先や顧客減少の

売上低下によるダメージを同時に

くらったってことです。

 

当たり前ですが、このダメージが

大きいのは、規模が大きい会社です。

 

大企業は別かもしれませんが、

中途半端に大きい中小企業が一番

苦しかったのではないかと思います。

 

こういう状況を見ていて思うのは、

桐生のような社労士業やスモール

ビジネスの経営者も、今こそ、

「自社の理想の規模」を見直すべき

ではないかということです。

 

たとえば、社労士業について。

 

年商3,000万円の社労士がいたとします。

 

彼は自分の収入を増やすために

一生懸命働いています。

 

では、早速、彼の内情を見てみます。

 

<年商3,000万円社労士>

・クライアント40社

・自分の収入1,200万円

・社員3人(人件費1,000万円)

・事務所経費600万円

(3人が入るオフィス、システム代とか)

・消費税は簡易課税で150万円

・利益200万円、法人税約50万円

・法人における手残りはゼロ

 

では、ここから頑張って、

年商を6,000万円にしたとします。

 

ここでは単純に、数を2倍に

してみたいと思います。

 

年商6,000万円

・クライアント80社

・自分の収入2,400万円

・社員6人(人件費2,000万円)

・事務所経費1,200万円

・消費税は480万円

・利益400万円、法人税約100万円

・法人における手残り-180万円

 

あれ…?

法人における手残りがマイナス

になってしまいました。

 

まぁこの原因は簡単な話で、

年商5,000万円を超えると

簡易課税が適用できなくなる

からですね。

 

では、これをトントンに

するためにはどうするか?

 

たとえば、

 

・自分の収入を2,000万円くらいに抑える

・事務所経費を1.5倍くらいに抑える

・社員の人件費を1.5倍くらいに抑える

 

といったことが必要になってきます。

 

もちろん、それでも十分に、

「収入の上昇」という目的は

達成していると言えます。

 

ですが、その分増えたリスクや手間

からも目を逸してはなりません。

 

・自社のマネジメントの手間もアップ

・自社の人が辞めるリスクもアップ

・求人に悩まされる頻度もアップ

・クライアントに解約されたときの

ダメージもアップ

・クライアントのトラブル対応の

頻度もアップ

・行政調査等の対応頻度もアップ

・今回のコロナのような問題のときの

ダメージやリスクもアップ

・単純に消費税もアップ

・単純に事務所経費もアップ

 

…収入は単純に2倍にはならないのに、

これだけのリスクが増えるわけです。

 

しかも、それらのリスクやダメージは

“2倍以上”というものも多いです。

(人にもよりますけどね)

 

こういったストレスやリスクが

あっても、それを承知のうえで

「とにかく収入が欲しい」という

方はまったく問題ありません。

(実際に収入は増えますから!)

 

ですが、そうでない方なら、

社労士業で年商5,000万円を

超えるのは非合理的です。

 

それは、そもそも単純に、

消費税は高くなるし、

事務所経費は高くなるうえに、

ストレスやリスクは格段に

増えるからです。

 

だから、あなたの価値観において、

「どうしても〜万円の年収が欲しい!」とか

「どうしても〜人規模の事務所にしたい!」

といった気持ちがないなら、

やめておいたほうが賢明です。

 

目指していなかったのに結果的に

そうなってしまった人は、本当に

精神的に参ってしまうと思います…。

(そして、多くの人はそうだと思います^^;)

 

独立当初は何も考えずに

売上を増やすことに突っ走るのが

良いと思います。

 

ですが、

 

・年商1,000万円あたりになったら、

もっと上へ行くかを考える

・年商3,000万円あたりになったら、

5,000万円を超えていくかを考える

 

というところは、最低限考えてみる

ことをオススメします。

 

そして、もし、あなたがとっくに

その年商を超えている状態だとしても、

自社の成長過程に「最も幸せだった頃」

があるのなら、その規模まで戻すことを

考えても良いと思います。

 

5店舗、6店舗を経営するオーナーが、

「2店舗くらいのときが一番楽しかった」

と昔話をしながら、苦しそうに経営

している姿を見ることがあります。

 

それなら、もう1度、2店舗に

縮小すれば良いわけです。

 

働く意味とは、最終的には

自分が幸せになるためです。

 

ストレスを溜めまくって収入を増やしても、

散財して無駄にお金が消えていくか、

精神や身体を病んで病院代に消えていくか…

 

どちらにせよ幸せにもならないし、

お金も貯まらないですよ^^;

 

桐生 将人

 

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

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