MENSAの思考

「ジョーズ」になれる可能性

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生です。

 

ジョーズって知っていますか?

 

そうです。

 

スティーヴン・スピルバーグ監督を

一躍有名にした超有名な映画です。

 

この映画のすごいところは、

巨大サメの物語にもかかわらず、

サメをほとんど見せずに

その存在を暗示させる手法を

取ったことで、傑作サスペンス

として語られるようになった

ということです。

 

『さすが!

スピルバーグ監督は天才だ!』

 

…と言いたいところですが、

実は制作の裏側は大変な状況

だったようです。

 

///////////////

この作品の制作がトラブル続き

だったことはよく知られている。

脚本がひどかった。

天候が悪かった。

サメのロボットが故障続きで

―1体は海底に沈んだ―しかも

恐ろしいというより、間が抜けて見えた。

(中略)

撮影日数は当初計画の3倍、

制作費も3倍に上り、

スピルバーグは自分のキャリアが

破壊されることを恐れて、

神経衰弱の一歩手前まで

追い込まれたという。

―引用(p.251):『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』著:ベント・フリウビヤ、ダン・ガードナー、出版:サンマーク出版 (2024/4/24)

///////////////

 

ただ、ここでスピルバーグ監督は

諦めませんでした。

 

具体的には、以下の2つの

方針を打ち出しました。

————-

・脚本がお粗末だから

監督と俳優でシーンやセリフを

考える

・サメロボットがうまく動作

しないから、人間に焦点を

当てることにして、サメを

ほとんど見せずにその存在を

暗示することにする

————-

 

この新機軸の結果、

キャラクターに深みが加わり、

さらに、サメの存在を暗示させる

手法がかえって恐怖を煽って、

大ヒットの傑作サスペンスに

生まれ変わったということです。

 

さて…。

 

この感動的な物語を聞いて、

何を学ぶべきか?

 

『まず、チャレンジして、

壁にぶつかっても諦めなければ

いつか成功する!』

 

…と、多くの人は言うかも

しれません。

 

ですが、今回は少し視点を変えて

考えてみましょう。

 

それは、

「ジョーズのような奇跡的で感動的な

物語って、実際どれくらい起きるの?」

ってことです。

 

まずは参考情報を引用します。

 

////////////////////

・ジョーズのコスト超過率は300%だったが、

それを補って余りある興行収入をたたき出した

・ただ、2062件の大規模プロジェクトにおける

平均的な便益の超過幅はコストの超過幅を

上回らなかった

・実際のコストは予想を上回り、便益は予想を

下回るのが典型的な大規模プロジェクトである

・さらに、プロジェクトのポートフォリオ全体で

見てみても、損失が利益を大幅に上回っていた

―引用(pp.257-259):『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』著:ベント・フリウビヤ、ダン・ガードナー、出版:サンマーク出版 (2024/4/24)

////////////////////

 

要は、ジョーズのようなことは

まず起きないということです。

 

コストを何倍も垂れ流しながら、

プロジェクトを完了したとしても

最終的に報われることもない

ということです。

 

…諸行無常の世界です^^;

 

「チャレンジすることの大切さ」

について、感動的な物語とともに

語られることは多いです。

 

特に、成功した起業家のセミナーに

参加するとそういった話を聞くことが

多いかもしれません。

 

そして、ついつい

「チャレンジすることが大切なんだ!」

「諦めなければ最後には報われるんだ!」

と考えてしまうかもしれません。

 

ですが、その成功した起業家の

後ろには、それ以上に成功していない

起業家の存在がいることを忘れては

いけません。

 

実際、起業して10年間生き残る確率は

わずか1割程度と言われているわけですから、

ほとんどの人がチャレンジしても失敗して

いるわけです。

 

もちろん、大規模プロジェクトと

小規模な起業とを単純比較するのは

間違っているかもしれません。

 

ですが、安易にチャレンジしたり、

「諦めなければ最後は報われる」と

考えることは危険だということです。

 

だから、今回の話で重要なのは、

「見切り発車せずに計画を立てろ」

ということです。

 

「まずやってみて、動きながら考えよう」

という話は多いです。

 

ですが、それでうまくいったのは、

ある意味運が良かっただけかもしれない

ってことです。

 

いやはや、、、。

 

今回の話を学んで、桐生自身も

反省することが多かったです。

 

桐生は無計画には動きませんが、

最終的には「まず、やってみよう」

となってしまうタイプなので、

もう少し計画を詰めることを

心掛けようと思った次第です^^;

 

著者のベント・フリウビヤ氏が

書籍の中で何度もこんなことを

言います。

 

////////////////

・多くの人はまず行動することを考えて

「早く考えて、ゆっくり動く」ことを

してしまう

・だが、計画段階の失敗と比べて、

行動してからの失敗はリスクも

大きくなってしまう

・だから、重要なのは、

「ゆっくり考えて、早く動く」

ということである

////////////////

 

「ゆっくり考えて、早く動く」

 

事業を失敗しないために

重要なキーワードですね。

桐生 将人