マネジメント

クレーマーにファンクラブを作ってもらう方法

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生です。

 

やっかいなクレーマーに

頭を悩まされたことって

ありますか?

 

あるいは、クライアントから

クレームまがいの無理難題を

押し付けられたことはありますか?

 

あなたが経営者や資格起業者なら

少なからずそういったケースに

ぶつかったことがあると思います。

 

では、もし、そういったクレーマーが

あなたのファンクラブを作ってくれる

方法があるとしたらどうでしょう?

 

もちろん、

「クレーマーがあなたにクレームを

言いまくるファンクラブ」

ではありません。

 

クレーマーだった人たちが

「あなたを困らせなくなる」どころか

「あなたのファンになってしまう」

ということです。

 

『ファンクラブなんて言いすぎでしょ…』

 

そう思うかもしれませんが、

これは実際にあった話です。

 

実は、

「クレーマーにファンクラブを

作られてしまった」

というクレーム処理の達人がいます。

 

その人こそ、株式会社TCマネジメント

代表取締役社長、ムジカ研究所代表

山下由美(やました ゆみ)さんという方です。

 

プロフィールを抜粋すると…

—————

・地方公務員として30年間勤務して、

福祉部、税務部などでクレーム対応を担当

 

・多いときには電話も含め、

1日200件のクレームがあった

 

・そんな現場で、山下さんは、

1日200件のクレームを解決し続け、

ついにはクレーム来訪者による

ファンクラブまで結成される

伝説的存在になった

 

・現在は、そのときの経験や

スキルを体系化して、

クレーム対応のコンサルタント

として1000社の指導をしている

—————

 

なにやらすごそう…!

 

ということで、早速、

この方の書籍を読んでみました。

 

具体的な事例が中心だったのですが、

桐生が仮想人事部を通して経験してきた

社員対応ともかなり通じる部分が

多かったので、自分なりにノウハウを

まとめていったところ…

 

気付いたら、14ページにわたる

レポートを作成してしまいました^^;

 

そのレポートはクライアント限定で

お渡ししているのですが、、、

 

せっかくなので、その一部を

このブログでもシェアしたいと

思います。

 

では、早速スタートです。

 

そもそも、「クレーム」って

なんだと思いますか?

 

あなたを困らせるもの?

あなたに対する文句?

 

どちらも違います。

 

根底にあるのは「SOS」です。

 

クレームを言う人には、

「自分の困り事の解決(SOS)」

「自分の望む対処をして欲しい」

という目的が根底にあります。

 

つまり、クレームは、

・怒りを解消して、

・お困りごとを把握すれば

・解決に導くことができる

ということです。

 

ですが、怒りが爆発している

クレーマーの怒りを解消して

お困りごとを把握するのは

至難の業ですよね。

 

そこで、クレーム処理の達人である

山下氏は非常にシンプルな方法を

教えてくれています。

 

その方法は、

「”そうなんです”を引き出す」

ということです。

 

わかりやすい事例を書籍から

1つ抜粋します。

 

////////////////////

<以下、意訳・引用>

 

【状 況】

保育園に連絡がなく遅刻してきたお母さん。

 

保育士がぐずっていた子供にせんべいを

1枚あげていたのを見て激怒。

 

「なんでこんな時間にせんべいを

食べさせているんですか!

食事が食べられなくなったらどうするの!」

 

【一般的な対応】

「あなたが連絡なく遅れてきて、

ぐずって大変だったのでおせんべいを

あげていたんですよ。」

 

【「そうなんです」を引き出す対応】

1.まずは相手の怒りを同じリズムや

声の大きさで受け入れることで同意を得る

 

保育士「そうですよね!◯◯ちゃんの食事のことが

気になりますよね!」

母 親「そうよ!心配だから言っているんでしょ!」

(「そうなんです」を引き出すことに成功)

 

2.その後に正論を言う

保育士「私たちも心配していたのですよ。

食事が遅くなるとリズムが悪くなって

食欲が落ちてしまうことがあります。

なので、甘いものは避けてソフトせんべいを

1枚にしてみました。」

母 親「お腹が空きすぎるのがよくないことは

わかっています。だから、家に帰って

すぐ食べられるように作り置きを作っています。」

 

3.相手の言葉に同調して畳み掛ける

(相手の望む答えを提示する)

保育士「◯◯ちゃんのお母さんはさすがですね。

いつもそうやってお子さんのことを

気に掛けていらして。

今後はお迎えが遅くなる連絡を

いただいたときはお菓子ではなく

ブロッコリーのような軽めの野菜を

出せるように気をつけておきますね。」

 

4.この対応をした結果

これ以来1度も連絡のない遅刻をして

こなくなった

(連絡をすればちゃんと対応をして

くれることを知ったから、

遅刻する場合は連絡するようになった)

 

―意訳・引用(pp.90-96):『役所窓口で1日200件を解決! 指導企業1000社のすごいコンサルタントが教えている クレーム対応 最強の話しかた』山下 由美 (著)、出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社 (2019/7/25)

////////////////////

 

どうでしょう?

 

一般的な対応の方では、

正論をお伝えしています。

 

保育士さんはまったく悪くなく、

正しい内容を伝えています。

 

それでも、この後のやり取りを

想像すると、、、

 

相手が満足してくれたり、

対応が変わる感じはしませんよね^^;

 

一方で、

「そうなんです」を引き出す対応の方では、

正論を伝える前に「そうなんです」という

共感を引き出した結果、最終的には望ましい

結果に行き着いています。

 

これがクレーム処理の極意だという

ことです。

 

山下氏は書籍の中で、

クレーム処理の3大誤解として

以下を挙げています。

 

————

1.自分の話は相手に正しく伝わっている

2.正論なら納得してくれる

3.納得すれば引き下がってくれる

————

 

人間は合理的で、

勘違いしていることを指摘してあげれば、

納得してくれると考えている人は

多いかもしれません。

 

ですが、実際のところ、

あなたの話はあなたの考え通りに伝わっておらず、

正論を言っても「そうは言っても」と反論され、

納得したように見えたのに、次の瞬間、

「あなたの言い分はわかったけど…」と

振り出しに戻されてしまうわけです。

 

これではクレーム処理がうまくいくわけも

ありません。

 

だから、正論をぶつけたり、

納得させようとする前に、

相手から「そうなんです」という

言葉とともに共感を引き出す必要が

あるということです。

 

「そうなんです」を引き出す

テクニックは書籍の中でも

たくさん紹介されていますが、

とにかく重要なのは、最初から

正論をぶつけないことです。

 

特に、桐生と同じ士業の方は、

感情的な世界とは真逆の

法律で縛られた論理的な世界で

生きている人種です。

 

だから、クレーム処理においても、

ついつい正論をぶつけてしまうことが

多いかもしれません。

 

ですが、その対応では、

クレーマーをファンにすることなんて

できないということです。

 

冒頭でもお伝えしましたが、

クレーマーは困った人ではありません。

 

なにかを解決して欲しいということを

必死に「SOS」している人です。

 

そういうスタンスでクレーマーを

改めて見ると、”どう関わるべきか”の

発想がまったく変わってくるはずです^^

 

桐生 将人

-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

★資格起業ラボ★

-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-