※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
内容を再編集して投稿しております。
こんにちは。
桐生将人(きりゅうまさと)です。
ここ最近、ブログにて
「脳のバグ」について
お伝えしてきました。
今回はその「脳のバグ」を
自分で考えて使う場合のリスク
についてお伝えします。
このリスクを知らないで
「脳のバグ」を利用すると
真逆の効果が生まれてしまう
可能性があるので要注意です。
今回はそのリスクを伝える
うえで「吊り橋効果」について
触れたいと思います。
「吊り橋効果」は脳のバグの
事例としては有名なので、
多くの人が知っていると
思います。
実際の実験は以下のものでした。
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<以下、意訳・抜粋>
・「恋の吊り橋実験」は1974年
にカナダの心理学者が行った
・被験者は18歳から35歳までの
独身男性をランダムに2組に
分けて、揺れる吊り橋と
丈夫なコンクリートの橋を
渡った
・橋の中央では魅力的な女性
が待っていて、調査の協力
を男性に依頼する
・簡単な心理テストをした後、
「結果が知りたかったら
電話をしてください」と
女性から電話番号の書いた
紙を渡される
・結果は、
コンクリートの橋だと
電話をした人が16人中2人、
揺れる吊り橋だと
電話をした人が18人中9人
だった
―引用・抜粋(p.29):『スピリチュアルズ 「わたし」の謎 』 著:橘玲、出版:幻冬舎 (2021/6/23)
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そんなわけで、
この実験の結論として、
「脳は、揺れる吊り橋に
よるドキドキを、恋の
ドキドキと勘違いした」
と言われているわけです。
そして、これが当たり前
のように信じられている
からこそ、デートにおいて
ホラー映画や絶叫系の乗り物
が人気なのかもしれません。
ですが、この実験には、
その夢を打ち砕く”続き”
があります。
まず、この実験については
その後に「再現性がない」
という指摘がされています。
具体的には、
・独身男性はランダムに
サンプリングされていなかった
(吊り橋のある公園に
いた独身男性に声をかけた)
・「電話したこと」と
「ときめき」は別のこと
である(心理テストの
結果が知りたかっただけ
とも考えられる)
といったものがあります。
ですが、、、
それよりももっと重要な
指摘があります。
それは、
「吊り橋にいたのが
“魅力的な女性”だった」
ということです。
その後の実験で、
以下のような衝撃的な
事実が発覚しています。
////////////////
その後の実験で、「魅力的でない」
女性から声をかけられるとこうした
帰属エラーは起こらず、逆に不快感
が強まることがわかった。
「どきどき感」を好意に帰属させる
ことができず、「なんでこんな質問
に答えなければならないんだ」という
気持ちに帰属させてしまうらしい。
―引用・抜粋(p.30):『スピリチュアルズ 「わたし」の謎 』 著:橘玲、出版:幻冬舎 (2021/6/23)
////////////////
つまり、
「恋の吊り橋効果は、
美男美女でないと
恋心には帰属しない」
ということです。
…なんとも夢のない
話に早変わりですね^^;
ですが、ここで重要なのは、
「美男美女じゃないと
脳のバグは使えない」
ということではありません。
重要なのは、
「脳のバグがいつも
想定通りの感情や認識に
帰属するとは限らない」
ということです。
これが脳のバグを利用する
うえでのリスクです。
このリスクが常に存在して
しまうのは、環境や相手の状況
によって感情の帰属先が変わり
得るからです。
たとえば、以前にホットコーヒー
を渡したら「あたたかい人」と
思ってもらえるという話を紹介
しました。
ですが、たとえば、
真夏の炎天下において
ホットコーヒーを渡されたら、
「不快なことをするやつだ」
と思われるかもしれませんよね?
もちろん、多くの場合に効果が
変わらないものもありますが、
(柔らかいソファや座る位置
なんかは再現性が高そうです)
“そうでないものが大半である”
と考えておくと良いですね。
リスクをおさえるには、
常にメタ認知をして、
相手がどのような刺激を
受けると、どのような感情
に帰属するかを考えたうえで
利用するということですかね。
桐生 将人
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