MENSAの思考

幸せな日々が続くことには意味がない

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

よくドラマなんかで、

恋人とイチャイチャしながら、

「この幸せな日々がいつまでも

続けばいいのに…」

みたいなシーンがありますよね。

 

あるいは、事業に成功して、

贅沢な暮らしを始めた人は、

その暮らしをなんとか継続しよう

と必死になったりするかも

しれません。

 

まぁ気持ちはわかります。

 

ですが、実は、その必死に

守ろうとしている幸せの

「継続」はあまり意味がない

かもしれません。

 

それは、人間の脳の構造に

要因があります。

 

1990年代前半に行われた

1つの実験を紹介します。

 

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<以下、意訳・抜粋>

・現在は麻酔が使われるのが

一般的である大腸内視鏡

検査は、この時代は麻酔なし

で行われていた

・この検査を受ける患者に

60秒ごとにそのときの苦痛を

10段階で評価してもらって

それをグラフで表した

・この実験には154名の患者が

参加して、最短は4分、

最長は69分がかかった

・今回はこのうちの2名、

8分で終了した患者Aと

24分かかった患者Bの

グラフを比べた

―引用(N0.3675-3684):『ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか?』著:ダニエル・カーネマン、出版:早川書房 (2014/6/20)

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ここで、1つ質問です。

 

「患者Aと患者Bのどちらの

痛みが大きかったでしょうか?」

 

これは簡単ですよね。

 

条件が同じなら、患者Bの方が、

苦痛の時間が長い分、苦痛は

大きいはずです。

(グラフの面積においても、

患者Bの方が明らかに大きかった)

 

ですが、本人たちの評価は

まったく違いました。

 

この実験が終わった後に、

「検査中に感じた苦痛の総量」

を評価してもらったところ、

患者Aの方がはるかに悪い印象

を持っていたということです。

 

著者のダニエル・カーネマン氏は

このことから、以下の2つの法則が

認められたと話しています。

 

/////////////////

・ピーク・エンドの法則

―記憶に基づく評価は、ピーク時と終了時の苦痛の平均でほとんど決まる。

・持続時間の無視

―検査の持続時間は苦痛の総量の評価にはほとんど影響をおよぼさない。

―引用(N0.3690):『ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか?』著:ダニエル・カーネマン、出版:早川書房 (2014/6/20)

/////////////////

 

要は、短時間で終わらせる

パターンの場合、多くは、

「急激に痛くなり、急激に

終わる」ということを経験

することになります。

 

その結果、終了時の苦痛も

高い数値となり、嫌な記憶が

残ってしまうということです。

 

逆に、長時間かかる場合は、

「だんだんと痛くなり、

だんだんと痛くなくなって

終わる」ということを経験

することになります。

 

その結果、終了時の苦痛は

低い数値となり、苦痛の平均

が下がることになるという

ことです。

 

さらに、持続時間については

ほとんど評価に影響しないので、

患者Bは検査時間が3倍だった

にもかかわらず、相対的に

苦痛が小さかったと評価した

ということです。

 

さて、ここで学ぶべきは、

人間の脳にとっては、

 

・持続時間は意味がない

・象徴的な時間については

大きな意味を持つ

 

ということです。

 

たとえば、あなたも、

過去5年を振り返ってみれば、

「5年間幸せが続いた」

ことに対して幸せを感じる

のではなく、

その5年間に経験した食事、

旅行、買い物、仲間との交流

といった象徴的な時間(経験)

に幸せを感じると思います。

 

そして、

「持続時間」には意味がない

のなら、幸せな時間を経験する

ことには意味があっても、

それが5年で終わるか、

10年続くかという違いには

あまり意味がないということ

になります。

 

それなら、継続のために、

守りに入るよりも、新しい

経験のために攻めた方が

人生の幸せは得られるはず

ですよね。

 

もし、あなたが今の幸せを

継続するために必死だったり、

色んなものを得すぎて守りに

入っているようだったら…

 

今一度、自分の幸せのために

新しい経験をすることに目を

向けてみてください^^

 

桐生 将人

 

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