マネジメント

続・社員に「自分の会社は良い会社だ」と思い込ませる方法

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

今回の話は、以前に送った話の

続編になります。

 

もし、前編を読んでいない方は、

まずはそちらを読んでくださいね。

 

さて、以前に、

社員に「自社の会社は良い会社だ」と

思わせるためには、

 

・自社の悪いところを考えさせる

・そして、それを困難な条件のもとで

考えさせる

 

ということをお伝えしました。

 

これは、「利用可能性ヒューリス

ティック」という心理学的事象に

よって起きるものです。

 

そして、この事象は、自己評価も

含めてあらゆる評価を操作できる

ことがわかっています。

 

ただ、この操作も万能ではありません。

 

注意点を知っておかないと、

効果が出ない場合があります。

 

今回はその注意点を1つお伝えします。

 

それは「他の答えが用意されると

効かなくなる」ということです。

 

そもそも、この「利用可能性ヒューリ

スティック」の肝となるのは”意外性”です。

 

会社の悪いところをあげようと思って

いたのに、”意外”にもスラスラあがら

なかった。

 

そうか。”意外”とこの会社って悪く

ないんだな。

 

こういった思考経路が、

悪いことを考えさせたのにもかかわらず、

ゴールを逆転させる(逆に良い評価をする)

ことに繋がるわけです。

 

では、この”意外性”がなくなるとどうなるか?

 

たとえば、こんなふうに伝えたとしましょう。

 

「会社の悪いところを15個あげてください。

あ、そうそう。いきなり考えろと言われても

普通の人には無理です。

15個もあげられる人は、100人に1人もいません。」

 

と言われたとします。

 

すると、脳の思考経路は以下のような

ルートを辿ります。

 

・会社の悪いところをあげようと思って

いたのに、スラスラあがらなかった。

・ただ、急に言われてもほとんどの人は

あげられないって言ってたしな。

 

わかりますか?

 

要は、最初の例と違って、

「そうか。”意外”とこの会社って悪く

ないんだな。」

という部分が消えてしまった

ということです。

 

これは、他の答え(多くの人はそんなに

あげられない)が用意されていたので、

「意外とこの会社って悪くない」という

答えを引っ張ってくる必要がなくなって

しまったということです。

 

その結果、逆転のゴールには繋がらず、

普通の評価をされるか、最悪の場合、

悪い部分ばかり考えさせた結果、評価が

通常より悪化する場合があるということ

です。

 

この注意点を避けるためには、

なるべく他の答えを用意させない

努力が必要になります。

 

たとえば、飲み会のようなガヤガヤ

した場で行わない方がいいです。

 

なぜなら、

「ここはうるさくて集中

できなかったから仕方ない」

とか

「お酒飲んでいたからIQ

下がっていたし」

とか

そういう他の答えがハマってしまう

可能性があるからです。

 

もし、行うなら、

会議室等で集中できる場所を用意して、

他の影響を排除して、真剣に行わせる

といった感じでしょうか。

 

あれ…?

 

前編に冗談として言った

「監禁」みたいになってきたような…^^;

 

まぁ、この方法を使うかどうかは

自己責任でお願いします。笑

 

桐生 将人

―参考:『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』著:ダニエル・カーネマン、出版:早川書房 (2014/6/20)

 

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