こんにちは。
桐生将人(きりゅうまさと)です。
コロナショック下において、
急速にテレワークの導入が
進みました。
ですが、、、
多くの会社はテレワークの
ことをあまり知らないままに
導入してしまったせいで、
労働問題の火種を抱えまくって
いる気がしてなりません…。
その中でも一番問題になりそう
なのが「みなし労働時間」です。
「みなし労働時間」とは、
労働時間の把握が困難な場合に、
所定労働時間(たとえば1日8時間)
を働いたものとみなす
という制度です。
営業社員等の直行直帰が多い
職種を想定して作られた制度
と言えます。
ただ、現在は、直行直帰でも
携帯電話等で連絡を取ることが
可能なため、これが認められる
ケースはかなり少なくなりました。
そんなこんなで近年ほとんど
話題にすらあがらなかった
「みなし労働時間」ですが、、、
最近になって自社に導入しよう
とする会社が増えている気がします。
その理由は「テレワーク」です。
多くの会社のテレワークの規程を
見てきましたが、結構な確率で、
「みなし労働時間」が規定されて
います。
それは、多くの会社が、
厚生労働省の出している
就業規則事例を参考にして
規程を作成しているから
かもしれません。
そして、そこに載っている
「みなし労働時間」の規定例を
疑いもなくそのままコピペして
いるのかもしれません。
コピペすること自体は別に
悪いことではないのですが、、、
もし、それを安易に
“使ってしまっている”と
したら危険です。
というのも、実際に、
「みなし労働時間」が認められずに
多額の残業代を払うことになった
会社は多数存在するからです。
そして、テレワークについても、
これからそういった未払残業代の
問題がどんどん出てくる可能性が
あります。
ちなみに「みなし労働時間」を
使ってしまう会社側の理屈は
こんな感じだと思います。
「テレワークで在宅勤務をして
いるときって、仕事をどれくらい
しているかなんて把握できないよな。
むしろ、社員も多少自由に働けた方が
良いわけだし…。
みなし労働時間として管理するのが
適しているよな!」
…こんな感じで、安易に
「労働時間の把握が困難なので
所定労働時間働いたものとみなす」
としてしまうわけです。
ですが、「みなし労働時間」は
こんな簡単な話ではないのです。
そもそも、テレワークの
「みなし労働時間」が認められる
には要件があります。
それは以下のものです。
//////////////////////
<テレワークで「みなし労働時間」が通用する3要件>
1.自宅で行われていること
2.通信機器が使用者の指示により
常時通信可能にしておくことを
義務付けられていないこと
3.業務が、随時使用者の具体的な
指示に基づいて行われていないこと
//////////////////////
で、これらをクリアしても、
以下に抵触するとダメになります。
//////////////////////
<テレワークで「みなし労働時間」が不可となる要素>
1.勤務と日常を区分できる
取り決めがなされている
※始業終業時刻を定める
※仕事専用の部屋を確保する
2.随時使用者の指示を受ける
※電話、メール、SNS等による
具体的な指示
//////////////////////
ということで、テレワークで
「みなし労働時間」を認めて
もらうためには、
・サテライトオフィスではなく
自宅で勤務
・仕事の具体的指示は禁止
・電話やSNS等で常時連絡が
取れるようにする指示も禁止
・具体的な業務の指示は禁止
・始業や終業時刻の指示も禁止
・仕事部屋を確保することも禁止
といった要件をクリアすることが
最低限必要だということです。
簡単に言えば、ほぼ業務委託です。笑
むしろ、自由度の低い業務委託と
いった感じです^^;
どうでしょう?
あなたの会社ではこんなテレワークを
させていますか?
多くの会社は、
・始業や終業時刻を定めている
・残業を承認制にしている
・携帯で連絡を取れるようにしている
・業務の指示や報告を随時させている
そんな状況じゃないですか?
もし、そうだとしたら、
今すぐ「みなし労働時間」での
管理を見直してくださいね。
最後に…
「うちは要件をクリアできるから
みなし労働時間の導入はOKだ!」
そう思ったとしても、
桐生としては、やはり、
「みなし労働時間」の導入は
オススメできません。
というのも、本来的には会社には
労働時間の把握義務があるわけです。
やろうと思えば労働時間の管理が
できるのに、無理やり要件をクリア
して「みなし労働時間」を導入して、
後々になって「残業代が払われて
いない!」なんて訴えが起きたら、、、
たとえ要件をクリアしていたとしても、
会社側が負けることは十分にあり得ます。
リスクを考えれば、安易な
「みなし労働時間」の導入は
避けることが賢明です。
在宅勤務であっても、
まずは、しっかりと労働時間を
管理することを考えてくださいね。
桐生 将人
※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
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