マーケティング

関係性が強くなると紹介をもらえなくなる理由

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

「営業で最も成約率が高いのは紹介を

もらうことである」

ということをよく聞きますよね?

 

で、紹介営業を実践するためには、

「紹介者との信頼関係を構築し、

関係性を強化することで、

紹介数を増やしてもらう」

というのが定説です。

 

もちろん、関係性を強化することで

多くの紹介をもらった経験のある方も

いるでしょう。

 

ですが、これは数少ないパターンだと

言えるかもしれません。

 

その理由は、

「関係性を強化すればするほど、

その紹介には紹介者の責任が生じてしまうので、

紹介数が減少する誘因が生じる」

からです。

 

想像してみてください。

 

あなたが知り合いから

「オーダースーツを作りたいから、

誰かテーラーを紹介してくれないか」

と言われたとします。

 

あなたには、10年来の付き合いで、

現在テーラーの仕事をしている知人が

いたとしましょう。

 

ですが、1度スーツを作ってもらっただけで、

彼の仕事が相対的に良いものなのか、

値段も高いかどうかもわかりません。

 

この状況で知人のことを紹介したとします。

 

紹介先は、

「あなたがよく知っているテーラーを

紹介したわけだから、

腕も素晴らしく、値段も割安で、

完璧な人を紹介してくれた」

と思うでしょう。

 

(あなたがそんな大げさなことを言ってなかった

としても無意識にそういう期待をするということです。)

 

しかし、残念ながら、紹介された側が

このテーラーのことを気に入らなかったとします。

 

それはあくまで好みの問題かもしれませんが…

 

結果として、あなたは良かれと思って紹介したのに、

紹介先から「不満足な人を紹介する人」

という烙印を押されてしまう可能性があるのです。

 

では、逆に、関係性の低い人を紹介する場合は

どうでしょう?

 

たとえば、あなたが異業種交流会で1度だけ

会ったことのあるテーラーがいたとします。

 

きっと紹介の仕方はこんな感じになるはずです。

 

「異業種交流会で1度だけ会ったテーラーの人の

名刺があるけど、連絡しましょうか?

正直、値段とかも全然わからない感じですが…」

 

この紹介の場合、紹介先が思ったような

サービスを得られなかったとしても、

あなたの責任だとは思わないはずです。

 

それだけではありません。

 

今回の話の本質は、

「もし、そのサービスが満足するものだった場合、

どっちの人を紹介したとしても、

感謝されるのは同じである」

ということです。

 

整理してみましょう。

 

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・関係性が強い人を紹介して気に入られた

→紹介先に強く感謝される(◎)

 

・関係性が強い人を紹介したが不満な結果となった

→紹介先との信頼に傷がつく(×)

 

・関係性が弱い人を紹介して気に入られた

→紹介先に感謝される(〇)

 

・関係性が弱い人を紹介したが不満な結果となった

→紹介先との信頼に傷はつかない(△)

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上記を見ればわかる通り、

関係性が強い人を紹介するのはギャンブルであり、

関係性が弱い人を紹介するのは負けのない勝負と

なっているのです。

 

ということは、

営業として紹介を多くもらうコツとは、

なるべく多くの人と緩い関係性を作り続けること

と言えます。

 

もちろん、関係性が強まることで紹介が増える

パターンもあります。

 

ですが、それは本当に強い関係性でないと、

逆効果になってしまうということを

忘れてはなりません。

 

関係を強めるならとことん強めて、

そうでもないなら無駄に関係を強めない

ということが新しい紹介営業の本質と

言えるのかもしれませんね。

 

桐生 将人