マーケティング

カルト宗教にハメる方法

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生です。

 

先日は、洗脳に関しての

ワントピックをお伝えしました。

 

今回は、「カルト宗教」に絞って、

どうやってカルト宗教にハメるのか

という話をざっくりお伝えします。

 

ざっくり…ということで

「細かい内容」というよりも

「全体像を把握する」ことを

目的とした内容です。

 

というのも、洗脳は一見すると

難しそうに見えますが、

本質的にはそんなにたくさんの

ノウハウがあるわけではないので、

全体像を把握することが

あなたの身を守るためにも

重要だと考えているからです。

 

今回も前回に引き続き、

あくまで「あなたの身を守るため」

の内容です。

 

悪用厳禁でお願いします。

 

では、早速。

 

カルト宗教にハメるために

重要なポイントは3つです。

 

————-

1.異世界

2.共通敵

3.教育

————-

 

これを順々に説明していきます。

 

人は常に何かに不満を持っています。

 

それは、

今の収入だったり、

今の人間関係だったり、

今の仕事環境だったり、

さまざまです。

 

だからこそ、常に

「今とは違う”より良い世界”

(=異世界)に行きたい」

という深層心理があります。

 

この深層心理はカルト宗教において

とても重要なものです。

 

というのも、カルト宗教は

「入信することで、

今とは違う”より良い未来”に

いけますよ」

ということを示唆することで

信者を獲得しているからです

 

ただ、そんなことを示唆するだけで

信者がガンガン増えていくとしたら

苦労はしませんよね。

 

そこで、次に行うのが、

「共通敵」の設定です。

 

これは前回のメルマガでも

お伝えしましたが、

「わたしたちは、あなたのその敵

(=今の不満)を打倒しようと

している集団です」

というストーリーを語ります。

 

そして、いつの間にか、

「あなたの敵」は

「わたしたちの敵」となり、

気付いたときには

「だから、わたしたちは仲間」

という作話が完成するわけです。

 

とはいえ、現実世界とカルトが

話している内容にはズレがあります。

 

カルト側は「敵だ」と言ってくれますが、

現実世界では「味方だ」と言っている人も

いるからです。

 

ここからは教育(=これがまさに

「洗脳」と言えるかもしれません)

が必要になってきます。

 

その教育で重要になるのが、

マンデラ・エフェクトといわれる

ものです。

 

マンデラ・エフェクトとは、

「大規模な集団が真実とは違う現実を

信じ込んでしまうこと」

と定義されています。

 

要は、カルト宗教の教育におけるゴールは、

「現実の世界がズレていて

真実の世界はカルト宗教側にある」

と思い込ませることです。

 

そのための方法とは、

・現実と若干ずらした情報提供をする

・証拠を積み上げて信じ込ませる

という単純なものです。

 

人間の記憶は曖昧なので、

意外と証拠を積み上げられると

「あれ?自分の思い違いかな?」

と簡単に考えを変えてしまう

わけです。

 

この教育を繰り返すことで

カルト宗教側の現実を信じ込ませる

ことができたら

「新たな信者をゲット」

ということになるわけです。

 

ただ、カルト宗教が怖いのは、

この先にあります。

 

それは「抜けられなくなる仕組み」

までもが巧妙に作り上げられている

からです。

 

たとえば、その1つに

「ジャーゴン」という

ものがあります。

 

ジャーゴンとはなにかというと、

そのカルト宗教でしか使われない

名前や言葉のことです。

 

本来の現実の世界においては

その名前や言葉は使われないので、

より自分の中における世界の分断が

進みます。

 

これによって、

自分の居場所は現実の世界ではなく、

カルト宗教側にあるということを

強く思い込み始めるということです。

 

そして、自分の中で世界の分断が

進んでいくと、差別化欲求と所属欲求

という2つの欲求が強化されます。

 

差別化欲求とは

「自分は他の人とは違う」

というものですが、

マンデラ・エフェクトによって

「現実に気付いているのは自分たちだけ」

と思い込んでいくことで

この差別化欲求が強化されます。

 

さらに、差別化欲求によって、

「気付いていない大多数ではなく、

「気付いている側の仲間と一緒にいたい」

という所属欲求が強化されるので、

自分からカルト宗教を抜けようとは

思わなくなってしまうわけです。

 

最終的には、

「◯◯しないと脱会させるぞ」

といった直接的な脅し文句は

もちろんのこと、最近では、

・新たな信者を獲得してこないと

集団内の評価が下げられる

・お布施が少ないと

集団内のランクが下がる

といったステータスの仕組みを

通して、搾取されていくことに

なるわけです。

 

いやはや、恐ろしい話です。

 

さて。

 

今回の話で、カルト宗教のテクニックが

ビジネスにおけるマネジメントの手法と

似通っている部分があると気付いた方も

多いかもしれません。

 

それもそのはずで、

「カルト宗教のテクニック」

とお伝えしていますが、

実際のところ、その本質は

「集団のコントロール」

にあります。

 

だから、マネジメントにおいても

使われている内容はいくつもあるわけです。

(どっちが先かは別にして)

 

マネジメントというテーマなら

「マネジメントの手法」と言われ、

カルト宗教が使うと

「カルトのテクニック」と言われる

わけですから、結局は、

「誰が何の目的に使うか」

が重要だということですね。

 

私たちは”悪用”厳禁でいきましょう。

桐生 将人

 

―参考図書:『危険だからこそ知っておくべきカルトマーケティング』著:雨宮純、出版:ぱる出版 (2024/8/26)