こんにちは。
桐生です。
「社会保険料高いなぁ…」
その経営者は銀行口座から引き落とされた
社会保険料を見て、肩を落としました。
社会保険料は、色んな支払が終わった後の
“月末”に会社から引き落とされるので、
『不意打ちを食らったような気持ちになる』
という経営者も多いです。
しかも、今月は社員に賞与を支払ったので、
賞与の分の社会保険料が合算されていることも
「社会保険料が高い」と感じた理由の一つでした。
『せめて賞与の社会保険料だけでも
なんとかならんものか…』
そんなことを考えていると、
経営者仲間から会食の誘いが
入りました。
なにやら数名で集まって近くで
会食をしているようです。
『そういえばあのメンバーの中に、
節税に詳しい人がいるとか言っていたな…
何か社会保険の対策もしていないか
聞いてみよう!』
そう考えて、会食の場所に向かいました。
「社会保険料って高いよなぁ…。
この前は賞与の分の社会保険料も
かかったからすごい金額だったよ。
せめて賞与の分の社会保険料だけでも
なんとかならないのかなぁ…。」
すると、会食に集まった経営者の1人が
こんなことを言いました。
「お前、知らないのか?
賞与は社会保険料がかかるけど、
歩合なら社会保険料はかからない。
だから、うちは毎年12月に歩合を
出すようにしてるよ。」
『そんな簡単な手法があったなんて…』
そして、その経営者は、すぐに
「今後の賞与を歩合にする」
ということを決定しました。
それからしばらく経った頃、
年金事務所の調査が入りました。
そこでこんな質問を受けました。
「この12月に出ている”歩合”というものは、
どういう計算方法ですか?」
経営者はこう答えました。
「1年間の本人の実績に応じて
支払っています。」
すると年金事務所からこんなことを
言われました。
「それでしたら、これは賞与になりますので、
賞与の分の手続きが漏れていますね。」
経営者は驚いて言いました。
「え?!歩合は賞与と違って社会保険料は
かからないと聞いていますよ!」
年金事務所はこう答えました。
「社会保険の賞与というものは、
名称に関係なく、
臨時的に支払われる報酬で、
年3回以下の頻度で支払われる
ものを指します。
今回の歩合は年1回の支払ですので、
賞与ということになります。」
結果として、この経営者は、
過去2年分の歩合に対する
社会保険料を遡って支払うことに
なったとさ。
めでたし、めでたし。
…って、全然めでたくないですよね。
さて。
なんでこんな話をしたかというと、
賞与の社会保険料を回避したいがために
安易にこの経営者と同じようなことを
してしまう人が多いからです。
ですが、実態が「賞与」なのに
名称だけ「歩合」にしても、
年金事務所の調査で簡単に否認されて
しまいます。
否認された経営者に訪れるのは
「過去2年間分の社会保険料の一括支払い」
です。
さらに、遡った社会保険料の支払が厄介なのは、
“社員にも遡りの徴収”が発生してしまうことです。
何も知らなかった社員からすると、
「会社がなにか悪いことをして
急に自分にまで多額の支払が発生した」
と思ってしまうケースも非常に多いです。
結果として、
「遡りの社会保険料の徴収」
をきっかけに、大切な社員が
会社に不信感を持ったり、
最悪の場合、退職する事態にまで
発展してしまうこともあります。
また、そうはならなかったとしても、
社員が生活苦等を理由に分割支払を
希望することもありますので、
社員数によっては、会社の資金繰りに
大きな打撃を与える可能性もあります。
このように考えると、
“安易な社会保険料削減”に
手を出すことは、
遡及して支払うことになる
社会保険料の金額以上の
デメリットがあると言えます。
ちなみに、今回の社会保険料削減行為の
発展系(?)としてやってしまいがちなのが、
「歩合を年4回以上支払うことで、
賞与の社会保険料を回避しようとする」
というものです。
社会保険における賞与になる条件が、
「臨時的かつ支払が年3回以下」
ということであれば、
「歩合を年4回払えば良いのでは?」
と考えたわけです。
ですが、これもあまり意味がないかもしれません。
というのも、年4回の歩合にした場合、
「賞与」にはならないものの、
あくまでも「臨時的な給与」として
「毎月の給与とは別物」とみなされるので、
年1回の社会保険料の手続きの際には、
原則として「歩合の総額を12か月に按分して
月額給与に加算する」ことになります。
その結果、年をならして計算すると、
社会保険料の総額自体はほぼ変わらないこと
になるかもしれないからです。
(社会保険には上限等があるので、
ケースバイケースと言えますが…)
他にも経営者が手を出してしまいがちな
“安易な社会保険料削減”の方法として、
「4月・5月・6月だけ歩合を支払わない」
といったものもありますが、
こういった「歩合」を使った手法も
実態が伴っていなければ簡単に否認されて
しまいます。
では、どんな場合においても
賞与は社会保険料の対象になって
しまうのかというと…
実はそんなこともありません。
ある2つの条件がピタッとハマれば、
「歩合を活用することで、
結果的に賞与の社会保険料が
発生しなくなるケース」
もあります。
これについてはまた次回のブログで
お伝えしますね。
お楽しみに!
桐生 将人
