マーケティング

なぜ優秀な経営者ほど、あっけなく没落するのか?

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生です。

 

すごく勢いのあった経営者が

急に没落していく姿を見たことが

ありますか?

 

桐生は、あります。

 

仕事柄、経営者に関わることが

多いので、そういった経営者を

少なからず見てきました。

 

そして、それらの経営者には

“ある共通点”が存在することも

わかっています。

 

ちなみにその共通点とは、

・お金の管理ができていない

・油断して遊び呆けてしまった

・やる気がなくなってしまった

といった”よくある類”のものでは

ありません。

 

むしろ、

バイタリティにあふれ、

お金はビジネスに投資をして、

バリバリ働く経営者ほど

ハマってしまいがちな

「落とし穴」があるのです。

 

その落とし穴がなにかというと、

「次のビジネス」です。

 

やる気にあふれる経営者は、

自分のビジネスが一定の成功をすると、

「次のビジネスだ!」と言って、

どんどん他のビジネスに手を出そう

とします。

 

自分のビジネスを成功させられる

だけの才覚がある方ですから、

他のビジネスでもそれなりの成功を

収められそうです。

 

ですが、、、

 

これを繰り返すと、

かなりの確率で大きな失敗を

することになります。

 

その理由は

「ピーターの法則」で

説明できます。

 

ピーターの法則とは、

具体的にはこんな話です。

 

——————-

・一般社員で優秀な人間を

課長に昇進させる

・課長で優秀な人間を

部長に昇進させる

・部長で優秀な人間を

役員に昇進させる

 

このような昇進をさせていくと、

・一般社員で優秀でなかった

人間は一般社員にとどまる

・課長に昇進して優秀になれなかった

人間は課長にとどまる

・部長に昇進して優秀になれなかった

人間は部長にとどまる

 

となっていくため、

最終的にその組織は、

「そのポジションでは無能な人間」

だけで構成されることになる

——————-

 

ドキッとした経営者の方も

多いかもしれませんね。

 

というのも、

多くの日本の中小企業が

この「優秀な人を昇進させる」という

昇進制度を使っているからです。

 

「ピーターの法則」は、

まさに日本企業の”悪い昇進”を

わかりやすく説明してくれるもの

だということです。

 

では、

「ピーターの法則」と

「次のビジネス」との間に

どんな関係があるのか?

 

それは、

「ビジネスの成功者も、

そのビジネスの成功者でしかない」

ということです。

 

「ビジネスで成功した人」を

「一般社員で優秀になった人」と

読み替えてみてください。

その人は一般社員としての

仕事に才覚があるわけですが、

マネジメントスキルの求められる

課長としての仕事に才覚があるかは

わかりません。

 

つまり、次のビジネスに手を出す

ということは、

本来才能がある一般社員としての

仕事をないがしろにして、

課長としての仕事にもチャレンジ

するということになります。

 

もし、それで課長としての仕事の方に

才能があることがわかればよいですが、

そうでなかったときに、

一般社員としての信頼も失ってしまう

ことになるかもしれません。

 

それ以上にリスクがあるのが業態転換です。

 

業態転換は、

自分が成功していたビジネスの分野を

大胆に別のビジネスに変えるという

ことです。

 

(おそらく本人はこれを”業態転換”ではなく、

“ビジネスを次のステージに持っていった!”

と考えているのかもしれません)

 

これはまさに一般社員を課長に昇進させて

しまうことと同義です。

 

つまり、何度も業態転換をしていけば

どこかで「無能」に行き着いてしまう

ということです。

 

桐生の見てきた

急激に没落していった経営者の

共通点はまさに”これ”でした。

 

振り返ってみると、

彼らはバイタリティが高く、

ビジネスにお金を投資して、

バリバリ働きながら

「何度も業態転換をしてしまった」

ということです。

 

『桐生さん、そんなこというけど、

自分の周りにはビジネスを転換させながら

成功している人がいますよ!』

 

そういう話もあると思います。

 

ですが、そうやって成功している人を

よくみてみると、実は自分の分野を

変えていないことに気付くことが多いです。

 

たとえば、

桐生の尊敬する保険業界の先生は

あるときから「クレカマイル」の

セミナーを開催し始めました。

 

『今までは保険営業に関連した内容

だったのに、なんで急にクレカ…?』

と思ったのですが、、、

 

話を聞いてみると、それが

「保険営業パーソンが経営者に

アプローチする営業戦略の1つ」

だということがわかりました。

 

つまり、その先生は、

“あくまでも自分の得意分野から

枝葉を伸ばしただけだった”

ということです。

 

ただ、ここで疑問に思うのが、

『なぜ、優秀な経営者が

自分の得意分野を活かせないような

ビジネスに業態転換なんてして

しまうのか?』

ということです。

 

ですが、これは実際に起きてしまいます。

 

その理由の1つは、

「それが本当に業態転換ではなく、

自分の得意分野の枝葉なのか?」

を自分ではなかなか認識できない

からです。

 

実際に、桐生が見てきた経営者の方たち

のことを思い返すと、

「本人が気付かぬうちに業態転換を

してしまっていた」

ことに気付きます。

 

それは今となってはわかりますが、

当時はそのビジネスの枝葉にしか

見えていませんでした。

 

(おそらく本人たちもそうだったと思います)

 

だからこそ、もし、あなたが今、

新しいビジネスに手を出そうと

考えているのなら、それは慎重に

検討して欲しいと思っています。

 

今のビジネスが軌道に乗っているとすれば、

それは間違いなくそのビジネスがあなたの

得意分野の1つです。

 

それを無理に変えたり、新しいビジネスを

加えることは「無能に行き着く一歩」に

なってしまうかもしれません。

 

桐生も色々と手を出してしまった時期が

ありますが、今は”社会保険労務士”という

ビジネスに専念しています。

 

それが”自分の得意分野”だからです。

 

桐生 将人