MENSAの思考

【悪用厳禁】自分を守って、相手を支配する方法

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生です。

 

今回の話は”あなただけの秘密”に

しておいてください。

 

なぜなら、あなたの近くにいる

誰かがこの秘密を知ってしまうと、

あなたが自分を守ったり、

逆に相手を支配する手法に対して

対策を打たれてしまうかも

しれないからです。

 

それだけこの話は強烈ですが、

同時に”わかりやすくて、簡単な内容”

なのです。

 

今回、あなたにお伝えするのは、

以前にもお話した行動経済学と

心理技術に関するものです。

 

行動経済学とは、

「人間の『非合理的な意思決定の

メカニズム』を解明する学問」

と定義されています。

 

つまり、そのメカニズムを利用すれば、

「人間の無意識に働きかけることが可能」

だということです。

 

これは恐ろしい話です。

 

というのも、

そのメカニズムを理解しておかないと、

あなたはさまざまな人や企業から

無意識にコントロールされてしまう

かもしれないからです。

 

ですが、これは逆も然りで。

 

もし、あなたがこれを理解してしまえば、

「あなたが誰かをコントロールすることも

できてしまう」とも言えるわけです。

(もちろん、悪用厳禁ですが)

 

そこで、今回はあくまでも

“あなたを守るために”

「行動経済学を利用した心理技術」

についてお伝えしていきたいと

思います。

 

一応、「相手を支配できてしまうスキル」

でもありますので、悪用厳禁でお願いします。

 

————-

1.自己紹介で評価を上げる方法

————-

 

こんな実験があります。

 

・2つのグループに対して

匿名の人物を説明した

・グループAでは、

「聡明で、勤勉で、衝動的で、

批判的で、頑固で、嫉妬深い」

と伝えた

・グループBでは、

「嫉妬深く、頑固で、批判的で、

衝動的で、勤勉で、聡明だ」

と伝えた

・その後、自分の言葉でその人物を

描写するように指示した

 

さて、この結果はどうなったか?

 

実は、グループAは、

好ましい人物像を作り上げて、

グループBは、より批判的に

描写する傾向があることが

わかりました。

 

これを行動経済学の用語で、

「初頭効果」と言います。

 

簡単に言えば、人は、

最初に与えられた情報が

脳に色濃く残るので、

その後の情報にも影響が

及ぶということです。

 

今回でいうと、

グループAは「聡明」という

ポジティブなイメージが

脳に色濃く残っています。

 

その結果、多くの人が

「勤勉で聡明な人だからこそ

自分の考えがしっかりあるので、

頑固になるのだろう」

という捉え方をしました。

 

一方で、

グループBでは「嫉妬深い」という

ネガティブなイメージが

脳に色濃く残っています。

 

それによって、

「勤勉で聡明だとしても、

嫉妬深さによって仕事が

うまくいくことはないだろう」

というように

“短所が長所を打ち消す”ような

捉え方をされてしまったという

ことです。

 

ここからわかるのは、

自分の紹介をするときに

長所と短所の両方を話すとしたら、

必ず「長所→短所」の順序で

話すべきであるということです。

 

逆を言えば、誰かを紹介するときに、

「短所→長所」で紹介することで、

“褒めているように見せて、

実は相手の評判を落とす”

ということも可能だということです。

(もちろん、やらないでくださいね)

 

ちなみに、「初頭効果」以外にも、

最後の情報が意思決定に大きな影響を

与える「親近効果」というものも

あるので、自分を紹介するのであれば、

「長所→短所→長所」とするのが

ベストかもしれません。

 

————-

2.わざとしくじって好感度アップ

————-

 

クイズ番組で、ある出演者が

92%の正解率を出しました。

 

これはすごい正解率です。

 

その後、その出演者が席を

立つときに、机にぶつかって

コーヒーをこぼしてしまいました。

 

さて、このシーンを2つの

グループに見てもらいます。

 

ただし、少し加工を加えて、

グループAには「そのままの映像」、

グループBには「コーヒーをこぼす

シーンはカットした映像」

を見てもらいました。

 

すると、グループBの方が

グループAよりもその出演者に対する

好感度が高いことがわかりました。

 

この「ちょっとしたしくじりや

弱点をさらすことがブランドの

好感度に繋がる」ということを

プラットフォール効果と呼びます。

 

人間は無意識に「トレードオフがある」

ということを理解しています。

 

なので、メリットがあるものには、

何かデメリットがないと違和感を

感じてしまうということです。

 

たとえば、

「この商品は安くて、丈夫で、

性能も良いです!」

と言われるよりも、

「この商品は安いです。

ですが、最高級品ほどの丈夫さと

性能は期待しないでください。」

と言われたほうがしっくりくる

ということです。

 

『桐生さん、弱点を晒すことで

好感度をあげるマーケティングの

テクニックは知っていますよ!』

 

そんな方も多いかもしれませんが…

実は続きがあります。

 

それは、先の事例のクイズ番組で

正解率が30%だった場合は、

“まったく逆の結果になった”という

事実があることです。

 

どういうことかというと、

このプラットフォール効果は、

とにかく魅力を高めるものではなく、

「前提にあるものを強化するもの」

だということです。

 

今回の場合も、

「92%の正解率

→有能である

→そんな人がしくじる

→好感度アップ」

となったわけですが、

 

逆に、正解率が低いと、

「30%の正解率

→有能ではない

→そんな人がしくじる

→より能力が低いと判断」

となったわけです。

 

ここからわかるのは、

「あなたが有能さを示せる場では

積極的に弱点を晒して、

有能さを示せないときは

弱点を隠した方がよい」

ということです。

 

逆を言えば、これから成果を

出したいライバルに対しては、

「弱点をさらしたほうが

マーケティング的にいいよ!」

とアドバイスすることで、

“戦わずして自滅させる”ことも

可能だということです。

 

————-

3.現金を使って豊かになる

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「現金支払の方がクレカよりも

支払の痛みを感じるから

支出を抑えることができる」

 

あなたもそんな話を1度は聞いたことが

あるかもしれません。

 

これも実験において立証されていて、

たとえば、2001年に行われた実験に

おいても、クレジットカード支払の方が

現金と比べて2倍以上の支払を許容して

しまったという結果が出ています。

 

しかも、この実験では、

MBAを目指すような優秀な学生を

対象としていたものでした。

 

つまり、そんな頭脳を持ってしても、

行動経済学のメカニズムからは

逃れられないということです。

 

ですが、ここで気になることがあります。

 

それは、現在はクレカor現金だけ

ではなく、様々な決済方法が利用

されているということです。

 

たとえば、ID、Quickpay、

PayPay、Suica、PASMO等のいわゆる

スマホ決済(非接触型決済)です。

 

何なら今となってはクレカよりも

スマホ決済を利用している人の方が

多いのではないかとすら思います。

 

では、このスマホ決済…

クレカや現金と比べてどれくらいの

“支払の痛み”を感じられるのでしょう?

 

こんな実験があります。

 

買い物をしてきた人に

以下の3つの質問をした。

 

質問1.いくら使いましたか?

質問2.どういう方法で支払いましたか?

質問3.実際のレシートを見せてくれますか?

 

さて、結果はどうだったか?

 

<結 果>

現 金 …実際に使った金額よりも9%多く見積もった

クレカ …ほぼ同額を見積もった

非接触型…使った金額よりも5%低く見積もった

 

つまり、

・非接触型決済はクレカ以上に

痛みを感じにくい決済方法であり、

・現金と比べれば14%も痛みに差がある

ということが判明したということです。

 

ここからわかるのは、

あなたが現金を使って生活すれば、

「使っている以上の痛み」を感じる

わけですから、無駄遣いが減って、

結果として豊かになるということです。

 

逆に、あなたが何かのお店を経営して

いるのであれば「非接触型決済」を

導入することで、より多くの決済を

させることも可能だということです。

 

とはいえ、現金が使えないお店も

だんだんと増えてきましたし、

現金だけでは不便ですよね…^^;

 

なので、その場合でも、

あなたは「せめてクレカにする」

ということをオススメします。

 

クレカであれば、

「使っている金額と同等の痛み」

を感じるわけですから非接触型よりも

よっぽどマシだということです。

 

と、話が長くなったので、

今回はここまでにします。

 

これ以外にも

「価格」に関する2つの秘密、

「主語」を変えることによる効果、

「限定」に関する手法等など

たくさんの心理技術があるのですが、、、

 

それはクライアントとの懇親会のネタに

取っておこうと思います。笑

 

桐生 将人

―参考図書:『買わせる心理技術――「つい買ってしまった」の裏にある25の行動原則』著:リチャード・ショットン、出版:ダイレクト出版 (2022/12/10)