※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
内容を再編集して投稿しております。
こんにちは。
桐生です。
「税務調査のおみやげ」
と言われるとどんなものを
想像しますか?
あなたが経営者であれば、
なんとなく想像できると思いますが、
一般的には、以下のようなものです。
『税務調査における”おみやげ”とは、
あえて軽微な間違いを用意しておいたり、
本当はしなくても良い修正申告をする等の
行為を指す。』
なぜこんなことをするのかというと、
“税務調査を早く終わらせたいから”です。
税務署の職員もわざわざ会社に来て
数日間かけて税務調査を行います。
それなのに、何も指摘事項がなく
帰るわけにもいきません。
だから、”おみやげ”を用意しておくことで、
指摘事項をサクッと見つけてもらって、
なるべく早く帰ってもらうことを狙っている
わけです。
ですが…
実際に税理士の方々とお話ししていると、
この”おみやげ”は都市伝説のようなもので、
「逆効果にすらなり得る」という回答が
ほとんどです。
というのも、
・軽微なミスがすぐに見つかると
「他にもミスがあるのでは?」
と思われてしまう
・”おみやげ”を用意していることが
わかると、「これは囮で他に大きな
隠し事があるのでは?」と思われる
こともある
という話もあるからです。
では、”おみやげ”は必要ないかというと…
実は、税務署の職員にわたすべき
“おみやげ”があります。
それがなにかというと、
「しっかりと調査したことを
証明できる資料」
です。
税務署の職員は経営者や
個人事業主ではありません。
基本的には上司がいます。
つまり、税務署の職員が
指摘事項なしで帰りづらい
最大の理由は、上司から
「本当にちゃんと仕事(調査)を
してきたのか!」
と言われてしまうからです。
それを避けるために、
税務署の職員は自分では
「この会社には指摘事項はない」
とわかっていても、
上司に対して仕事をしたことを
“そこにかけた時間”で証明する
ために調査を長引かせるしかない
ということになります。
ですが、この無駄な調査は、
会社はもちろんのこと、
税務署の職員にとっても
望ましいものではありません。
というのも、
指摘事項がない会社に時間を
かければかけるほど、
他の会社の調査に割ける時間が
減っていくからです。
では、どうすれば、
税務署の職員の気持ちも汲んだうえで、
“なるべく早く税務調査を終わらせる”
ことができるのか?
それは、
「上司に対して、
“しっかりと仕事をしたこと”
を説明できるような資料を
用意しておく」
ということです。
そういった資料があることで、
税務署の職員も上司に対して、
「これだけの資料を提出させて、
内容もすべて精査しました。
問題はありませんでしたので、
次の調査先に行きます。」
といったことが言えるわけです。
たまにイケイケの税理士の方で、
「グレーゾーンの節税なら
指摘されても突っぱねればいい!
資料なんかも出す必要ない!
税務署側に立証責任がある!」
なんてことを言う人がいます。
ですが、それでバチバチに戦うよりも、
そのグレーゾーンの節税が適正な運用を
されているのなら、むしろ、
「税務署の職員がすばやく精査できて、
上司にも説明できるような資料」
をしっかりと用意しておく方が
賢い選択だということです。
『桐生さん、、、
いつから”行政側の人間”に
なってしまったのですか!!』
…そんな声が聞こえそうですが^^;
全然そんな話ではありません。
むしろ、今回の話は、
「いかに余計な税金を払わずに、
スムーズに税務調査を終わらせるか」
という話です。
桐生の尊敬する元国税の根本先生は、
「節税とはコミュニケーションである」
ということをお話されています。
税務署の職員も人間ですから、
こちらが喧嘩腰で向かっていけば、
相手も喧嘩腰になるものです。
だからこそ、今回のように
「余計な税金を支払うこと以外で
双方のメリットをすり合わせる」
ことが重要だと考えているわけです。
多くの経営者は、
「税務調査=税金を取られるか
取られないかの戦いである」
と考えています。
ですが、今回のように
「税務調査=税務署の職員が上司を
説得できる資料を一緒に用意する」
と考えると、「戦い」どころか
ある意味「協業」とすらいえますよね。
僕らは税務署の職員のために、
「余計な税金を支払う”おみやげ”」
ではなく、
「上司を説得できる”おみやげ”」
を用意しておきましょう^^
桐生 将人
―参考図書:『行動経済学が最強の学問である』著:相良 奈美香、出版:SBクリエイティブ (2023/6/2)

