MENSAの思考

自己啓発本がほとんど役に立たない理由

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

自己啓発本、読んでいますか?

 

成功者の哲学とか成功者の考え、

その会社の成功法則なんかを

紹介するような本のことです。

 

ホリエモンこと堀江貴文氏、

ソフトバンクの孫正義氏、

投資家の与沢翼氏

といった有名な経営者の本を

読んだことがある人は

多いのではないかと思います。

 

桐生自身も、自己啓発本は

嫌いじゃないので、

気になる経営者の本が出れば、

買うようにしています。

 

1500円程度の価格(本の価格)で、

卓越した成功をしている経営者の

考えとかその企業の成功法則を

学べるってすばらしいことですよね。

 

と、今までは思っていたのですが…

 

実際のところ、

こういった類の自己啓発本は

ほとんど役に立たないのかも

しれません。

 

たとえば、最近、紹介している

名著「ファスト&スロー」の中でも、

「自己啓発本はほとんど役に立たない」

とバッサリ切り捨てられています。

 

具体的には、以下の話が

紹介されています。

 

//////////////////

<以下、意訳・抜粋>

・成功した企業を体系的に検証して

経営規範を導き出そうとする本は

多くあるが、その中でも最も有名

な本は、ジェームズ・C・コリンズ

とジェリー・I・ポラスの

「ビジョナリー・カンパニー」である

・この本ではさまざまな業種のライバル

企業を2社1組で18組取り上げて分析

している

・各ペアでは必ず一方がめざましい

成功を収めている

・分析は、企業文化、戦略、経営手法

などのさまざまな角度から行われている

・だが、実際は、成功した企業同士の

比較は多かれ少なかれ運の良かった

企業同士の比較にほかならない

・実際に、「ビジョナリー・カンパニー」

で調査対象になった卓越した企業と

ぱっとしない企業との収益性と株式の

リターン格差は、おおまかに言って、

調査期間後には縮小し、ほとんどゼロ

に近づいている。

 

―引用・抜粋(No.5055-5076)『ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?』著:ダニエル・カーネマン、出版:早川書房 (2014/6/20)

//////////////////

 

要は、多くの自己啓発本や

企業の成功法則分析本は、

「成功した企業に対して、

理由を後付けしたもの」

でしかなく、

「その手法と成功には

明確な相関関係はない」

ということです。

 

これは以前にもお伝えしましたが、

2つの指標に明確な相関関係がない

場合、「平均への回帰」が起きます。

 

つまり、ある年に平均よりも

めちゃくちゃ伸びた企業は、

翌年は前年よりも伸びない

ことが多いです。

 

逆に、ある年に平均以下で

ぱっとしなかった企業は、

翌年は前年よりもマシな業績を

見せることが多いということです。

 

ダニエル・カーネマン氏は、

「ビジョナリー・カンパニー」

の”その後”について、まさに

この「平均への回帰」が起きて

いると指摘しているわけです。

 

この話について、もう少し

わかりやすい例があります。

 

たとえば、与沢翼さんなんかは

良い例かなと思います。

 

当初、与沢翼さんがテレビに出て、

「秒速1億円の男」等と呼ばれて、

成功者としてチヤホヤされていた頃は、

「彼は臨機応変で、勇気があり、

決断力があるから成功した」

等と言われていたかもしれません。

 

その後、彼が破産したという

話が出たときはどうなったか?

 

「彼は無計画で、傲慢で、

無鉄砲な行動を取るから失敗した」

等と言われていたかもしれません。

 

さらに、彼が現在、投資家として

大復活している状況を見て

どうなっているか?

 

「彼は、失敗しても諦めずに、

勇気を持って過去にとらわれず

新しい決断ができたから成功した」

等と言われているかもしれません。

 

わかりますか?

 

つまり、多くの人は、

「同じ人のほとんど同じ要素

に対してすらも、いつも同じ

評価を下すわけではなく、

現時点での結果を見て、

もっともな評価を後付けする」

ということです。

 

そして、残念ながら、

自己啓発本は、まさに

“こういう内容”の本だと

いうことです。

 

要は、成功している現時点から

過去の成功要因を後付けで考えた

誇張や辻褄合わせだらけで、

真実の成功要因とは程遠い内容

だということです。

 

これでは「役に立たない」と

言われても仕方ないかもしれません。

 

ですが…

それでも、桐生は自己啓発本が

悪いとは思いませんし、今後も

読むと思います。

 

というのも、重要なのは、

自己啓発本との付き合い方

だと考えているからです。

 

たとえば、その本に書かれている

内容をそのまま真似した場合、

成功と相関関係がないと仮定すれば、

うまくいかないことが多いでしょう。

 

ですが、そこからモチベーション

をもらって、今までよりも行動量

を増やすことができたり、

自分なりの学びを得ることで、

今までしなかった行動をする

きっかけを作れたらどうでしょう?

 

試行回数を増やすことで、

確実に成功する確率はあがって

いくと思うわけです。

 

この「ファスト&スロー」という

本との付き合い方も同じだと思います。

 

たとえば、今回の話を知って、

「意味ないんだ!じゃあ本読むの

やめよう!」という行動をとったら、

何も起きないかもしれません。

 

ですが、今回の話を知って、

「そうか!これからは自己啓発本を

真に受けるだけじゃなくて、

自分にどう活かせるかを考えて

読むようにしよう!」

という行動をとったら、

少し成功に近付くような

気がしませんか?

 

自分なりの自己啓発本との

付き合い方を探ってみてくださいね^^

 

桐生 将人

 

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

最新の情報を受け取りたい方は

メルマガ登録をぜひよろしくお願いいたします。