マネジメント

営業利益率50%を保ち続けるマネジメントの秘密

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生です。

 

前回に引き続き、

キーエンスの秘密について

お伝えしていきます。

 

1回目は商品開発法、

2回目は提案手法ときまして、

今回は「マネジメント」に

フォーカスをあてます。

 

良い商品を開発するのも

優れた提案手法を使うのも

「人」がやることです。

 

なので、マネジメントが

ボロボロではうまくいくはずが

ありません。

 

だから、キーエンスでは、

商品や提案手法だけではなく、

マネジメントの中にも

「利益率80%へのこだわり」

が見て取れます。

 

今回はそのマネジメントの中でも

「一般的な企業ではほとんど

やっていないだろうこと」

を中心にご紹介します。

 

ぜひ、あなたの会社のマネジメントを

向上させる参考にしてくださいね。

 

—————

すべての社員に設定された「時間チャージ」

—————

 

よく経営者の方は

「これくらいの給与を払っているのだから

これくらいの売上をあげてくれないと…」

なんてことを話したりします。

 

要は、

「給与以上に稼いでくれないと困る」

という単純な話です。

 

ですが、キーエンスはまさに”これ”を

徹底して管理しています。

 

しかも「給与以上」どころか、

「1時間あたり3万円以上の

付加価値を生み出す集団」

としての管理をしています。

 

具体的には、

すべての社員の等級ごとに

1人ひとりが生み出すべき価値が

「時間チャージ」として設定されている

ということです。

 

そして、出勤時間を1分単位で記録して、

実際に生み出した価値と労働時間を比較する

ことで社員の評価をするわけです。

 

…徹底していますよね。

 

ちなみに、

この「時間チャージ」は評価だけではなく、

「やるべき仕事の判断」にも有効活用されます。

 

たとえば、こんな話ってよくありませんか?

 

//////////

・ある職場で、毎日書類のシュレッダー

作業に30分かかっているとする

・上司がシュレッダー作業の外注を検索

したところ1回あたり3,000円かかることが

わかった

・余計な経費はかけたくないと思っていた

ところ、部下のAさんが「スキマ時間で

対応できますよ」と申し出た

//////////

 

これだけ見れば、余計な経費も発生せず、

「Aさん!ナイスチームワーク!」と

思いますよね。

 

ですが、キーエンスは”これ”をしません。

 

キーエンスでは以下のようになります。

 

//////////

・シュレッダーの作業30分、外注費3,000円と

わかったところで、Aさんの時間チャージを

確認する

・Aさんの時間チャージが10,000円だったので、

Aさんが30分で生み出すべき価値は5,000円だと

わかった

・よって、シュレッダーは外注して、

Aさんは時間チャージ10,000円を達成できる

別の仕事を行う

//////////

 

つまり、目先の「余計な経費の発生」に

とらわれずに「1時間あたり3万円以上の

付加価値を生み出す仕事だけに集中する」

ということです。

 

この徹底ぶりが感じられる話を

もう1つ紹介します。

 

『これはもし、デザイナーだとしても同じです。

デザイナーのBさんの時間チャージが2万円で、

20時間かかる仕事があったときに、

同じ仕事を20万円で外注できるのであれば、

内製化にこだわらずに外注を選択します。』

 

これだけこだわるからこそ、

営業利益率50%以上を達成できると

いえるわけです。

 

—————

事後報告ではなく「事前事後報告」

—————

 

一般的な企業で「報告」といえば

「事後」に行うものです。

 

ですが、キーエンスでは、

「事前事後報告」というものが

行われています。

 

要は、事後報告だけではなく、

事前報告もセットになっている

ということです。

 

というのも、事後報告だけにすると、

「なんで、これを聞かなかったんだ!」

「ここだけはおさえておいて欲しかったのに」

なんてことが頻繁に起きるからです。

 

こういったコミュニケーションエラーを

防ぐために、事前報告を行うわけです。

 

事前報告とはいわゆる作戦会議です。

 

上司と部下で、

・どういった提案をするのか?

・どういった資料を使用するのか?

・時間がなかった場合に、

最低でもどこまでは進めるか?

・どういったことをヒアリングするか?

といったことのすり合わせを行い、

ロープレ(模擬商談)を実施します。

 

その後、事後報告を受けたら、

事前報告の打合せをもとにした

フィードバックを行うわけです。

 

これによって、

上司からしても必要な情報を

取ってきてもらうことができるし、

部下からしても

『そんなに重要なことなら

先に言ってよ…』

といった不満がなくなるわけです。

 

商談の前の打合せというのは

よくある話かもしれませんが、

「事前事後報告」としてルーティン化が

できている会社はそれほど多くないと

思います。

 

これは「時間チャージ」よりも

すぐに自社に導入できそうな内容

ですよね^^

 

ということで。

 

今回は営業利益率50%を保ち続ける

キーエンスのマネジメントの秘密を

お伝えしてきました。

 

特に「時間チャージ」というものは、

公平で数的な根拠のある評価も

できますので、経営者にとっては

ぜひ導入したいものかもしれません。

 

ですが、これを導入するなら

しっかり運用できることが

前提となります。

 

たとえば、営業職のような

わかりやすい数値結果が出る

職なら良いですが、

事務職のような間接部門になると、

「生み出した価値の計測」が

難しくなります。

 

そういった状況でエイヤーで

導入してしまうと、

公平な制度を導入したつもりが、

逆に社員にとって納得感のない制度に

なってしまうかもしれません。

 

ちなみに、キーエンスは、

数値管理を徹底しているわけですが、

この「公平性を担保する」という

ところもかなり徹底しています。

 

たとえば、

・営業先に対して、上司が報告内容が

正しいかどうかを確認しにいく

・監査の部門があって、部署の報告内容や

結果を定期的にチェックする

ということが行われているとのことです。

 

シンプルな数値管理だからこそ、

“その数値が適正なものかどうか”が

めちゃくちゃ重要になるという

ことですね。

 

桐生自身も「時間チャージ」は

かなり気になっている制度なので、

これからも突き詰めていきたいと

考えています。

 

興味のある経営者の方は、

ぜひ桐生にお声がけを^^

 

桐生 将人