※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
内容を再編集して投稿しております。
こんにちは。
桐生です。
「1%の確率で当たります!」
そんな言葉を目にすると、なんとなく
「100回チャレンジしたら1回は当たるかも」
と思ってしまいませんか?
ですが、冷静に考えると、
100回試行する1回ずつが
1%の当選確率ですから、
「100個のくじを引いて、
引いたくじを戻さない」
というルールでない限りは、
必ず100回で当たるものでは
ないことがわかります。
では、実際に1%の当選確率を
100回チャレンジした場合の
当選確率は何%だと思いますか?
細かい計算は省きますが、
「63%」だそうです。
これが高いか低いかは別にして。
重要なのは、こういった人間の認知を
「バカだ!」とか「修正しなきゃ!」
といった考え方をするのではなく、
「一旦そのまま受け入れる」という
マインドセットを持つことです。
それによって、自分を守ることはもちろん、
相手の認知を利用して、相手を意のままに
操ることができるようになるとも言えます。
…悪用は厳禁ですが!
先の例で考えてみます。
多くの人は直感的に
「当選確率1%のくじを100回
やったら大体当たるだろう」
と思っているとします。
今回のメルマガの話を学んだ人は、
「違うよ!100回やっても当たらないよ!」
と伝えてしまうかもしれません。
あるいは、
「この人はバカだなぁ~」
と思うだけかもしれません。
ですが、一旦、相手の認知をそのまま
受け入れると、あなたには選択肢が
生まれます。
たとえば、
「当選確率1%を100回試行しても
63%しか可能性はないんだよ」
と伝えてあげることもできます。
逆に、
「当選確率1%ですから、さすがに
100回くらいやったら当たりそうですよね!」
と言って、相手の認知を利用して、
100回くじを引かせることもできるかも
しれません。
そして、当たらなかったときは、
「あれ?100回やっても当たらないなんて
運がなかったですね~」
なんてしらばっくれることもできるかも
しれません。
これは本当にただの悪用に見えますが、
実際にこういう話はあなたの周りにも
溢れています。
たとえば「宝くじ」について。
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・東京は有楽町にある「西銀座チャンスセンター」は、
日本で一番長い行列ができる宝くじ売り場と言われている
・それだけ多くの人が並ぶのは、ここが「高額当選者が
続出する宝くじ売り場」だから
・だが、冷静に考えると、多くの人が宝くじを買うわけだから
その分当選者が増えるのは当たり前の話である
―引用・参考(pp.244-245):『人は悪魔に熱狂する 悪と欲望の行動経済学』著:松本 健太郎、出版:毎日新聞出版 (2020/7/11)
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要は、試行回数が増えれば(買う人が増えれば)、
当たる確率が上がるだけなわけですが、
「運」や「流れ」というもので判断を歪ませる
人間の認知を受け入れたうえで、遠回しに
「当たる確率が高いです!」という部分だけを
アピールしているわけです。
宝くじ売り場の目的は
「より多くの宝くじを買ってもらうこと」
でしょうから、決して
「ここは買う人が多いので当たる確率が
高いです!」なんてことは
言わないってことですね。
で。
今回の話で、あなたは
「人間の認知にはこういった
歪みが起きるんだな」
ということを学んだと思います。
だから、これから宝くじ売り場を見ても、
「あ、確率を伏せて人間の認知を
利用して行列を作っているな」
と冷静に観察ができると思います。
ですが、これを知らない人は、
「高額当選者が出ている売り場だから
自分も当たる確率が高いはず!」
と並んでしまうわけです。
こういった認知の歪みは
バイアスと言われます。
このバイアスというものは
調べてみるとすごくたくさんの
種類がある(よくこんなに名付けた
もんだと思います^^;)のですが、
そういったものを紹介する書籍などでは
「それを利用する」という発想がない
ものが多いです。
また、別の機会にバイアスを紹介する
ブログでも書こうと思っていますが、、、
僕らに何よりも重要なマインドセットは、
「バイアスは一旦受け入れて利用する」
ということです。
桐生 将人