※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
内容を再編集して投稿しております。
こんにちは。
桐生です。
アルコールチェック義務化って
ご存知ですか？
『自分はタクシー会社や運送業では
ないから関係ないな！』
そう思っている方が多いかもしれませんが、
実は、今回の改正はむしろ一般的な中小企業に
影響するものです。
（というより、運送業は2011年からすでに
アルコールチェックが義務化されていたので、
今回の話はあまり関係ないです）
具体的にはどういう会社が対象になるか
というと「車両を5台以上業務で使用して
いる会社」となります。
その他のポイントとしては、
・乗車定員が11人以上の車両であれば
1台でも使用していれば対象
・自動二輪車は0.5台カウント
・現時点では原付や自転車はカウント対象外
といった感じです。
車両を5台利用しているということであれば、
結構対象になる会社がありそうです。
…というよりも、桐生のクライアントで
対象になるところはないと思っていたら、
意外と対象になる会社があったのですよね＾＾；
で、「アルコールチェック」と言われても
一般の中小企業の経営者にとってはどういう
ことをすれば良いかイメージがわきづらい
ですよね。
実は、これが結構面倒なのです。
アルコールチェック義務化の対象となると
以下のことをしなければなりません。
———————
１．安全運転管理者を選任し、
警察署に届出をする
２．アルコール検知器を購入して、
保守点検を定期的に実施する
３．運転者の業務前後または出退社時に
“目視等”でアルコールチェックを実施する
４．確認した記録を1年分保存する
———————
こんな感じです。
たとえば、運転者が事業所に出社して、
業務用車両で業務に行く場合等は
業務前後にアルコールチェックを実施
できると思います。
ですが、直行直帰をする場合は
どうするのか？という疑問があるかも
しれません。
この場合も、”目視”が必要なので、
テレビ電話等によってアルコールチェックを
している姿を見ながら記録をすることが
求められているようです＾＾；
さらに、これを人ごとに毎日のように
記録しなければならないわけですから…
かなり手間がかかります。
『こんなことをしていられるかー！』
という方がいるかもしれないので、
最後にこっそりとアドバイスを。
今回のアルコールチェック義務化の
対象となるのは「1事業所あたり5台」と
なっています。
「会社」ではなく「事業所」です。
つまり、
「拠点が1つで5台使用している会社」
は対象となりますが、
「拠点1で2台、拠点2で3台の合計5台を
使用している会社」
は対象にならないということです。
ちなみに、労務の分野にはこういった
“会社規模なら対象なのに、事業所規模で
対象外となる要件”というものが結構あります。
一番よく語られるのは
「産業医」かもしれません。
産業医はある一定規模になると
選任が必要となりますが、
月5万円程度はかかってしまうので、
会社にとっては結構な負担です。
なので、できれば選任したくない…
という会社が多いと思います。
で、産業医の選任要件は
「50人以上の会社」と
言われがちなのですが…
実際には違います。
実際の要件は
「1事業所あたり50人以上の会社」
です。
つまり、会社全体で社員数が50人を
超えるとしても、複数拠点があり、
どこにも50人以上の事業所がない
ということでれば、”法的には”
産業医を選任する必要はないと
いうことです。
このように、実は労務的な観点で
考えると1事業所でひたすら拡大する
よりも、複数拠点で拡大した方が
“法的には”色々な縛りがなくなると
言えるわけです。
最後に。
“法的には”という言葉を繰り返しましたが、
いくら法的には問題ないとしても、
相当数の社員と車両を抱えながら
アルコールチェックをしなかったり、
産業医による健康対策を実施しなければ、
重大な飲酒運転事故や社員の健康被害が
発生したときに、大きなトラブルに
発展してしまうかもしれません。
それなりの規模になってきたら、
法的な縛りはないにせよ、
会社なりの対策を考えていくことを
オススメします。
桐生 将人
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