助成金

最近の助成金事情の話

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

桐生には珍しく、

「助成金」についての話を

したいと思います。

 

きっかけは、自分が役員をやっている

会社に”助成金コンサルタント”的な会社

が営業が来たので、提案してもらった

からです。笑

 

別に嫌がらせじゃないですよ^^;

 

桐生は基本的に、自分では助成金を

対応しない方向性なので、オススメ

の助成金を提案してもらったうえで、

良ければ本当にお願いしようと思った

わけです。

 

で、、、

 

結論からいうと、

「やりたい助成金が1個もねぇ、、、」

という感じでした^^;

 

助成金コンサルタントって、

提案の仕方が皆一緒です。

 

「御社の取れる助成金を診断します!

これとこれとこれとこれが取れます!

全部で380万円です!」

 

みたいな感じです。

 

すると、社長側は驚きます。

 

「え!うちの会社でも380万円も

取れるの?!お願いします!」

 

みたいな感じです。

 

ただ、助成金に飛びつく前に

しっかりと知ってほしいことが

あります。

 

それは、

・会社の現実に沿っているか?

・労力との釣り合いが取れているのか?

・今後残っていく制度だと理解しているか?

ということです。

 

たとえば、提案の1つに、

「社員が研修を受けるために有給を

あげれば30万円です!」

という話がありました。

 

これだけを聞けば社長は、

「普段からたまに研修行かせてるから、

それで30万円もらえるなんてラッキー!」

となるわけです。

 

ですが、よくよく聞いてみると、

・会社主導の研修は不可

・通常の有給休暇とは別に休暇を

あげることが必要

ということがわかりました。

 

こうなってしまうと、

社長の想定とはズレてしまう

わけです。

 

というのも、その会社が

ただでさえ忙しい会社で、

社員が有給の5日取得義務化

すらクリアしていない状態

だったとすれば、

「プラスアルファの有給」

という時点で現実的ではない

からです。

 

これが、

「会社の現実に沿っているか?」

ということです。

 

さらに、この助成金に関して言えば、

「3年後にしか申請できない」という

要件もあることがわかりました。

 

つまり、それだけ長期間の運用を

しないとならないわけです。

 

結果として、30万円を取るための

労力と釣り合わない会社が多いと

言えるかもしれません。

 

これが、

「労力との釣り合いが取れているのか?」

ということです。

 

他にも、たとえば、

「健康診断にプラスアルファの

オプションをつけてあげれば

38万円もらえます!」

という提案がありました。

 

これは追加費用がかかるけれど、

「歯周病検診」なら安く済む

という話もありました。

 

これを聞くと、

「それくらいなら、

今年だけ歯周病検診つけてあげて

サクッと38万円もらうか〜!」

なんて話になるかもしれませんよね。

 

ですが、よくよく聞いてみると、

さらに「1年後の離職率低下」の

要件があることがわかりました。

 

もし、歯周病検診を受けさせても、

離職率の要件をクリアしていなければ、

助成金がもらえないということです。

 

これだと、入退社が激しい会社は、

現実的に厳しいと言えます。

 

そして、何より、

就業規則にこのオプションの検診を

つけることを規定したとすれば、

助成金を受給した後もそれを実行

しなければなりません。

 

この項目を削除するとすれば、

それは就業規則の不利益変更ですから、

会社によってはハードルが高いと

言えるでしょう。

 

提案する方々は社労士ではないので、

「次の年に見直すことを社員に

口頭で伝えておいて、削除して

しまえばいいんですよ」

なんてことを軽々しく言っていました。

(この発言にはドン引きしました^^;)

 

ですが、離職率がクリアできず、

助成金が取れなかったうえに、

口約束が反故されて、制度だけ残って、

経費が増えただけという結果に

なったとしたら笑えませんよね、、、。

 

1度の「38万円」をもらうために、

未来への大きな負債を抱えることに

なるわけですから。

 

これが、

「今後残っていく制度だと理解しているか?」

ということです。

 

と、まぁ、こんな感じです。

 

助成金は、過去においては、

使いやすくて、メリットが

大きいものが複数ありました。

 

ですが、ここ数年あたり、

助成金の補助金化が急速に

進んだことで状況が一変して

しまいました。

 

要は、何かの経費がかかって、

その一部分を補填するような

カタチが増えているということです。

 

何かをしたら「ポンッ」と

お金がもらえるような助成金は

もうほとんどないということです。

 

結果として、桐生も、

既存のクライアントで対応して

いる助成金の種類は3つくらいに

絞られています。

 

今回、助成金の提案を聞いて

みようと思ったのは、

「実は、自分が知らないだけで

会社にデメリットが少なくて、

助成金の金額が大きいものが

あるのかもしれない」

という期待からでした。

 

ですが、

「そんなもんはなかった」

という感じです。

 

社員が5人未満くらいの会社なら、

助成金ありきで制度を作っていっても

ダメージが少ないのかもしれません。

 

むしろ、それで数百万円のお金が

受給できればメリットの方が大きい

のかもしれません。

 

ですが、あなたが会社を大きくして

いきたいと考えていたり、

会社をしっかり運営していきたい

と考えているなら、助成金ありき

で動くのは、リスクもデメリットも

大きすぎます。

 

パット見の「○○○万円もらえます!」

みたいな話に惑わされず、その制度が

会社にとって必要かどうかをちゃんと

見極めてください。

 

桐生 将人

 

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

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