マネジメント

経営者にとってつらいけど”ホントの話”

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

今回の話は中小企業の経営者には

結構つらい話です。

 

ですが、目を逸らしてはならない

“ホントの話”でもあります。

 

多くの経営者がこの話を

聞くと、きっと「つらい」と思いつつも、

「そのとおりだ」と認めざるをえない

かもしれません。

 

桐生自身もそうでした。

 

その話は何かというと、

「社員の成長への期待」

についての話です。

 

多くの中小企業は、

拡大していく中で、

中間管理職を作ります。

 

そりゃそうです。

 

10人の会社なら社長が全員を

見ることができますが、

100人になったら全員を見る

ことは難しくなります。

 

だから、社長が中間管理職の

10人と関わって、その中間管理職が

またその下の10人ずつに関わる

という体制を取るわけです。

 

では、この中管理職は、

どこから連れてくるのでしょうか?

 

多くの中小企業は、その中間管理職を

自社の社員から探します。

 

つまり、現場で優秀な人間や

なんとなく人望や適正がありそうな

人間をピックアップして就任させます。

 

あるいは、社員研修に行かせたり、

育ってくれるのを待ち続けます。

 

「数年後に成長してくれれば」とか

「頑張っている社員の給与をもっと

増やしてあげたいから」とか

そういう気持ちなわけです。

 

ですが、本当にそれは正しい

選択なのでしょうか?

 

というのも、会社は”今すぐ”に、

その中間管理職が必要なわけです。

 

それを適正があるかどうかも

わからない社員に任せたり、

その社員の成長を待つというのは

明らかに非合理です。

 

少なくとも最良の選択とは言えません。

 

桐生がこのことに気付くきっかけと

なったのが、先日から紹介している

「NETFLIXの人事戦略」です。

 

NETFLIXでは、どんなに貢献してくれた

社員であろうと、会社の方針に沿わなく

なってしまった場合は解雇をするそうです。

 

一見、血も涙もない会社に見えますが、

そこには根本的な発想の違いがあります。

 

一般的な会社は、

・今いる社員がこういう人たち

・だから、こういう組織にしていこう

と考えます。

 

あるいは、

・こういう経営方針に変えていこう

・だから、今いる社員のうちから、

この人を使おうかな

・いないなら、研修とか行かせて、

成長を期待しようかな

と考えます。

 

つまり、多くの会社(特に中小)は、

「現在あるリソースをどう使うか」

で考えるということです。

 

NETFLIXは”ここ”が違います。

 

NETFLIXは、

・こういう経営方針に変えていこう

・そのためにはこういう社員または

リソースが必要だ

・じゃあそれが達成できる社員や

リソースを探そう

と考えます。

 

つまり、

「今いる社員でどう戦うか」

とか

「今いる社員をどう成長させるか」

といったことは考えない

ということです。

 

その社員が1年後に成長するかも

しれないとしても、半年で目的を

達成する方針を立てたなら、

半年で達成できる社員やリソースを

探すということです。

 

「既存の社員のために1年待つ」

なんて選択を取らないということです。

 

「社員がいつか成長してくれたら…」

なんて期待をしないということです。

 

でも、この話、、、

 

つらくないですか?

 

たとえば、ずっとがんばってくれた

社員がいたとします。

 

あなたを起業当初から支えてくれた

社員です。

 

あなたの会社は順調に伸びていき、

レベルの高い事務社員やリーダーが

必要になりました。

 

そのときに、その社員が今現時点に

おいて、会社の求めるスキルや

リーダーとしての経験や才能を

持っていないとします。

 

この場合、その人を差し置いて、

外からリーダーや事務社員を

引っ張ってくるべきだという話です。

 

しつこいですが、、、

 

つらくないですか、、、?

 

それをした方が良いことは

簡単に考えればわかりますよね。

 

ですが、多くの経営者は、

その人への感謝やノスタルジーに

とらわれて、その選択ができません。

 

その社員を中間管理職に据えて、

「立場が人を育てる!」とか

「成長を期待する!」とか

「あなたのことを信じる!」とか

そんなことを言って、外から必要な

リソースを持ってくることをしない

わけです。

(桐生もそうだったので、

自分で書いていて胸が痛いです^^;)

 

ですが、冷静になって考えます。

 

では、いつまでその社員の成長を

待てばいいのでしょう?

 

5年…?それとも10年後でしょうか?

 

下手すると、その社員には

管理職の才能がなくて、

一生花開かないかもしれません。

 

そうなってしまえば、

会社の目標が達成できないのは

もちろん、社員のキャリアを潰す

ことにもなりかねません。

 

では、どうすればいいか?

 

それは、何かを変えていこうと

考えたときに、現時点で足りない

リソースがあるとしたら、

「既存の社員の成長を期待するな」

ということです。

 

たとえば、先の例であれば、

「その社員が成長したら払って

あげようと思っていた管理職待遇

の給料で、今すでにそのスキルや

経験を持っている人間を採用しろ」

ということです。

 

独立当初や忙しい成長期に

自分を支えてくれた社員を

守りたい気持ちがあるのは

経営者なら誰しも一緒でしょう。

 

ですが、目的や方針が変わるように、

それを達成するために必要な社員や

リソースも変わるのです。

 

既存の社員やリソースを無理やり

その変化に付き合わせるのは

時間がかかりすぎます。

 

そして、その時間は会社にとっても

社員にとっても等しく貴重なものです。

 

この”ホントの話”から目を背けていては、

いつまでたってもあなたのところに、

欲しい人材やリソースは揃わないという

ことです。

 

桐生 将人

 

参考図書:『NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く』著:パティ・マッコード、出版 : 光文社 (2018/8/17)

 

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

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