マーケティング

統計が流行っているからこそ心配なこと

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

統計が流行っているというと、

そんな話聞いたことないと

言われてしまいそうですが。笑

 

でも、YouTubeで大人気の

メンタリストDaiGoさんが動画で

発信している「科学的根拠に基づく〜」

的な話は、統計調査の内容をわかりやすく

紹介しているものも多いですよね。

 

そして、今桐生が読んでいる

『FACTFULNESS』も大人気の本ですが、

これも統計の話です。

 

統計の話というのは共感しやすいです。

 

そりゃそうですよね。

 

自分がなんとなく思っていたことより、

何百人、何千人に対して統計調査を行って、

その結果を科学的根拠として持ってこられたら、

そっちの方が正しいと思ってしまう

でしょう。

 

だから、統計や科学的根拠をベースに

話す人は、本人がなんとなく思っている

ことを「”サンプル数1”の根拠のない内容」

として切り捨てます。

 

自分の目の前の「1」よりも、

科学的根拠を信じなさいというわけです。

 

この考えは一見、筋が通っているように

見えますが、実はすごく矛盾をはらんで

いるように思えます。

 

というのも、多くの人は、

統計調査のような”マクロの世界”ではなく、

目の前の”ミクロな世界”に生きているからです。

 

統計で語られる世界よりも、

もっと細分化された世界において

仕事をして、人間関係を持って、

生活をしているのです。

 

たとえば、お金持ちを相手に仕事を

している人がいたとします。

 

彼は、今まで、自分の感覚的に

「お金持ちはブランドものが好き」と

感じていて、その価値観を共有できる

ように、自分もブランドものを着る

ようにしていました。

 

ですが、ある統計調査を目にします。

 

曰く、

「多くの人は目の前の一例だけに

とらわれがちになってしまう。

 

統計調査によれば、本当のお金持ちは

ブランドものを持たない。

 

むしろ見栄っ張りだと敬遠する。

 

ブランドものよりも実用的なもの

を身につけている人の方が印象が

良いという調査結果がある。」

 

というわけです。

 

彼は「そうだったのか」と素直に聞き入れ、

ブランドものを着るのをやめました。

 

そこから彼は明らかに自分の

営業成績が落ちたことに気付きます。

 

科学的根拠を信じたはずなのになぜ…?

 

もう1度、彼は自分の置かれている

状況に目を向けます。

 

そこでハッとしました。

 

実は、自分の相手にしていた商圏には、

統計調査でいう「超富裕層」は存在せず、

それよりも下の「富裕層」で、さらには、

ブランドものが大好きな人たちが多かった

ということに。

 

統計では「ブランドものを身に着けない方が

印象がよくなる」という話がありました。

 

ですが、彼の目の前の世界においては、

「ブランドものを身に着ける方が

印象がよくなる」世界が広がっていたということです。

 

統計調査は、「目の前の世界にとらわれて

本当のことが見えていない」と主張してきます。

 

いわゆる”木を見て森を見ず”です。

 

ですが、実際には、人間は森全体とは関わらず、

目の前やある一定の範囲内の木とだけ関わります。

 

だからこそ、桐生は、統計を学べば学ぶほど、

自分が感じた「サンプル数1」をもっと大切に

すべきだと感じています。

(まぁ、もともとどんな統計があっても、

自分で試さないと気が済まないタイプなのですが^^;)

 

あなたは自分の生きている世界を

ちゃんと見つめていますか?

 

統計は参考程度に使いましょう。

 

桐生 将人

 

参考図書:『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』著:ハンス・ロスリング (著), オーラ・ロスリング (著), アンナ・ロスリング・ロンランド (著), 上杉 周作 (翻訳), 関 美和 (翻訳)、出版:日経BP( 2019/1/11)

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