資産

年金とポンジースキームの違い

こんにちは。

桐生です。

 

あなたは

「年金とポンジースキームの違い」

を知っていますか?

 

ポンジースキームとは、

・高利回りの投資をアピールして

資金を集めていき、

・実際には資金を運用せずに、

新しく集めた出資金を

既存の出資者に払うことで

あたかも利益が出ているように

装う詐欺的な投資手法

と言われています。

 

一見すると、

「詐欺のスキームと年金は

根本的に違うだろう」

と思うかもしれません。

 

ですが、あるネット記事で

公開されていた内容をみると、

「驚くほど一致している」

ということがわかります。

 

具体的には、

以下のような内容でした。

 

——————

<年金とポンジースキームの共通点>

 

・「入っておけば

あとからお金がもらえる」

と宣伝されている

 

・先に入った人がもらえるお金は、

新しく入った人が払ったお金で

まかなう仕組み

 

・新たに入る人が少なくなると

仕組みは破綻する

 

・破綻したら自己責任で保証はない

——————

 

…あれ?

たしかに共通点が多いですね。

 

そして、その記事では

「唯一の違い」についても

触れます。

 

それが、

「ポンジースキームは

自分で加入を判断できる。

年金は国民の義務だから

強制加入させられる。」

というものです。

 

つまり、

「年金は詐欺のスキームよりも

たちが悪い商品だ」

と言っているわけです。

 

さて。

 

ここまでの話を聞いて

あなたはどう思いましたか?

 

『強制加入の詐欺的スキームなんて

年金はひどすぎる!』

 

そう考えた方もいるかもしれません。

 

ですが、その前に

少し立ち止まってみてください。

 

実は問題は

「年金かポンジースキームか」

ではありません。

 

本当に危険なのは

「比較項目を作った人が

結論を支配している」

ということです。

 

実際、今回の情報は

非常に不完全なものです。

 

たとえば、年金の場合、

 

・老後だけではなく死亡、

障害のときにも保障がある

 

・受給要件を満たせば、

基本的に一生涯もらえる

 

・国が運用している分、

「運営者が意図的に潰す」

というリスクは低い

 

・国民全体に加入が義務付け

られているので、

「新たに入る人が少ないと

制度破綻する」という

リスクも低い

 

といった側面もあるわけです。

 

それにもかかわらず、

このポンジースキームと年金を

比較したネット記事は、

これらの項目を一切出して

いませんでした。

 

つまり、

項目を操作することによって、

相手の認識をコントロールしようと

しているということです。

 

実際に比較項目を操作する心理誘導の

テクニックは色んな場面で使われています。

 

助成金コンサル、税理士、保険営業、

M&A仲介、人材会社…

 

彼らは必ず比較表を作ります。

 

そして、比較表を作る時点で

どの項目を載せるかを決めています。

 

つまり、一見すると

比較表は「中立的な情報提供」

のように見えますが、

実際は完全なる「営業資料」

だということです。

 

経営者は忙しいので、

ついつい「比較表」で判断してしまう

ケースも多いと思います。

 

ですが、

「比較表」を出されたときほど、

その項目を疑うようにしてください。

 

というのも、その項目は、

「相手の価値観に沿って作られたもの」

であって、

「あなたに適切な判断をしてもらうためのもの」

ではないからです。

 

例えば、

「企業経営にとって

重要なものは何か?」

という問いがあったとして、

 

・税理士

→労務や保険よりも

「税務的な対策」が重要

 

・社労士

→税務や保険よりも

「労務的な対策」が重要

 

・保険営業

→税務や労務よりも

「万一のときの対策」が重要

 

とそれぞれ主張したとします。

 

ここで嘘をついている人は

1人もいません。

 

ただ、自分たちの

見せたい世界が違うだけです。

 

ですが、問題なのは、

「相手が提示した項目の中に

あなたにとっての最適解がない

可能性が高い」

ということです。

 

というのも、

提示された比較項目は

あくまでも提示した側の価値観

において決められたものであって、

あなたが項目を指定して

作らせたものではないからです。

 

とはいえ、

あなたの専門分野ではない領域で

事前に項目を指定するというのも

簡単ではありません。

 

そこで重要なのが、

比較表を見るときに、

「何の項目が書いてあるか」

ではなく

「何の項目が書かれていないか」

にフォーカスするという

ことです。

 

比較表に書かれているものは、

そのものを形作る要素の一部です。

 

つまり、相手都合ではない

「書かれていないもの」が

たくさん存在するということです。

 

そして、

その「書かれていないもの」にこそ

あなたにとって本当に求めている価値や

見えていないリスクが隠されている

ことも多いのです。

 

与えられた比較表で判断するのは簡単です。

 

ですが、一歩間違えば、

相手にいいようにコントロール

されることになるわけです。

 

だからこそ、

経営者に重要なのは、

「比較表で判断する能力」

ではなく、

「比較項目を疑う能力」

だということです。

 

経営判断は経営者にとって

大事な役割の1つです。

 

比較表を見るのか?

それとも

比較項目を作った人の意図を見るのか?

 

どちらにフォーカスするかで

経営判断の差が生まれるという

ことです。

 

桐生 将人