※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
内容を再編集して投稿しております。
こんにちは。
桐生です。
「老後を年金で備えるということが
現代人に対して大きなストレスを
生み出している」
そんなことを聞くと驚く人も
多いかもしれません。
というのも、年金は国の制度ですから、
本来ならストレスどころか安心感の方が
大きいはずだからです。
ですが、実際は違います。
人間の心理を紐解くと、
年金はとんでもないストレスを
生み出しているかもしれないのです。
こんな話があります。
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人は、医師から
「ガンの疑いがある」
と言われたときに、
ストレス値が急上昇する
ことがわかっている。
その後、精密検査を受けて、
ガンではなかったことがわかると、
ストレス値は急減少する。
逆に、ガンだったことが発覚した
場合はどうか?
この場合、発覚した瞬間に
ストレス値はさらに急上昇する。
ただし、その後に、時間が経過すると
当初の「ガンの疑い」という状態の
ときよりもストレス値は減少する。
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どういうことかというと、
人が最もストレスを感じるのは
「不確実性」だということです。
もし、結果が悪いものだとしても
“不確実な状況よりはマシ”だという
ことです。
では、話を戻します。
日本における老後の備えは、
「年金(国の制度)」か
「年金以外(自助努力)」
ということになります。
年金の制度は一般的には
自助努力で株式投資等をする
よりも確実性があるように
思えます。
ですが、実際のところ、
現代の高齢化社会において、
年金の将来性に対する不確実性を
感じている人が多いのも事実です。
逆を言えば、インデックス投資等の
長期投資に対する不確実性の印象は
下がっているように思えます。
そして、そもそも国の制度は
根本的に「不確実性」をはらんで
います。
というのも、国の制度は制度自体を
持続させるために、その時々の状況を
ふまえて法改正されるものだからです。
実際に今年に入って年金制度は改正
されていますし、一部の人に関しては
“もらえると思っていた年金が減額された”
という事実もあります。
つまり、年金のような国の制度は、
実際に年金をもらえるタイミングに
なるまでは”ずっと不確実”だといえる
わけです。
逆を言えば、株式投資等の民間企業が
行っている商品等に関しては、それを
勝手に変更することは難しいので、
根本的には「不確実性」はありません。
もちろん株式投資等においても、
“引き出す頃にどうなっているか
わからない”という不確実性は
あります。
ですが、それは年金についても
同じことが言えますし、
何より自助努力であれば
「自分で結果を確定させられる」
というコントロールも可能です。
そして、繰り返しになりますが、
“結果が出る”ということは、
その結果が悪いものだとしても
不確実な状況よりもストレスは
低下します。
このように考えると、
老後を年金に委ねることは
「ガンを”疑いのまま”にしておく」
ということと同義なわけですから、
それが現代人に大きなストレスを
もたらしている(しかも長期的に)
と言えるわけです。
で、、、
なんで急にこんな話をしたのかというと…
先日、経営者の方から
「社員に社会保険料をコントロール
することの”数字以外のメリット”
を伝える方法はないかな?」
と言われたからです。笑
そんなわけで、今回は
「人間の心理」から社会保険料を
コントロールできる雇用制度の
メリットを考えてみました^^
ぜひ、経営者として社員の方の
ストレスを少なくしてあげるためにも
社会保険料をコントロールできる
(そして、自助努力で老後に
備えられる原資を生み出せる)
雇用制度を検討してあげてください。
ちなみに、人間の心理的にもう1つ。
社会保険料をコントロールして
手取りを増やすか、年金に将来を
委ねて社会保険料をたくさん払うか…
この選択を誘導したいときは、
片方を”確実+得”、もう一方を
“不確実+損”にするのが効果的です。
たとえば、こんな感じ。
「社会保険料をコントロールすれば
確実に◯◯万円節約できます。
年金を信じて社会保険料を払えば、
◯◯万円得られるかもしれませんが、
法改正や時代の情勢によって、
減額またはもらえない可能性もあります。」
これはちょっと言い過ぎですかね…?^^;
まぁ、あくまでも”一例”の話です。
桐生 将人
―参考図書:『行動経済学が最強の学問である』著:相良 奈美香、出版:SBクリエイティブ (2023/6/2)

