MENSA社労士の視点

「この書類をごまかせばバレない」が通用しなくなる理由

こんにちは。

桐生です。

 

「一応、決算書も

提出してもらえますか?」

 

これ、税務調査の話ではありません。

 

先日の年金事務所の調査のときに

言われたものです。

 

これを聞いて驚きました。

 

というのも、

年金事務所の調査において、

決算書の提出まで求められるケースは

「社会保険未加入の調査」を除けば、

一度もなかったからです。

 

この話。

 

真っ当にやっている

会社からすると

「面倒だなぁ」程度の話です。

 

ですが、

「書類を偽造して社会保険を逃れる」

ことを考えている経営者からすると、

ガタガタ震えてくる話かと思います。

 

というのも、

今まで以上に偽造を積み重ねないと、

数字の整合性が取れなくなって

しまうからです。

 

「社会保険料が高い」

と考えている経営者は多いです。

 

だから、

社会保険料を下げる方法を

考えること自体は

悪いことではありません。

 

ですが、その結果として、

安易に合法ラインを踏み外して

しまう経営者もいます。

 

要は、

「事実を偽ってしまう」

ということです。

 

たとえば、

賃金台帳を偽造する。

実際より給与を低く見せる。

出勤簿を偽造する。

実際より労働時間を短く見せる。

 

こういった話です。

 

ですが、

そこで背負うリスクは、

リターンと釣り合いません。

 

偽造が調査で発覚すれば、

過去の社会保険料を一気に

請求されることになるからです。

 

しかも、

偽造自体も簡単なものでは

ありません。

 

調査で提出する資料だけ

数字の辻褄を合わせたとしても、

別の制度に残った数字との

整合性までは消せないからです。

 

たとえば、

年金事務所の調査では、

以前から源泉税の納付書の

提出を求められています。

 

源泉税の納付書を見れば、

給与を支払っている人数や

支払っている金額が

わかるからです。

 

つまり、

賃金台帳を偽造して、

給与額を低く書き換えたり、

給与を支払っている社員の

存在を隠蔽してしまうと、

源泉税の納付書と数字が

合わなくなってしまう

ということです。

 

ここでさらに、

「源泉税の納付書にも細工をして

数字を合わせたらバレないのでは?」

と考える経営者もいるかも

しれません。

 

実際、

そこまでやってしまう

会社もあります。

 

ですが、この方法でも

偽造を完全に隠すことは

できません。

 

というのも、

今回のケースのように

決算書を提出することになれば、

決算書の数字との整合性が

取れなくなるからです。

 

ここでお伝えしたいのは、

「決算書まで見られるように

なったから偽造が難しくなった」

という単純な話ではありません。

 

今回の話で重要なのは、

 

・一つの事実を偽るために、

辻褄を合わせなければならない

資料がどんどん増えている

・偽造を維持するための手間や

リスクもさらに大きくなっている

・結果として、

経営者にとって偽造のリスクと

リターンが釣り合わなくなっている

 

ということです。

 

ちなみに、現在、

年金事務所と税務署の間では、

「給与支給人員」のデータが

情報連携されています。

 

ですが、今後、

さらにデータ連携が進んで、

・給与支払金額

・役員報酬の金額

・月ごとの給与総額

といった情報まで

共有されるようになれば、

さらに整合性を取ることが

難しくなると言えます。

 

つまり、今後、

「この書類さえ

ごまかせばバレない」

という発想を持っている

経営者のリスクは、

急速に増大していく可能性が

あるということです。

 

では、

やっぱり経営者は

社会保険料を下げる方法を

考えてはいけないのか

というと…

 

そんなことはありません。

 

重要なのは、

考えるうえでの基準です。

 

その基準とは、

「明日、年金事務所に

全ての書類を見られても

説明できるか?」

ということです。

 

もし、

説明できる内容なら、

堂々とやればいいのです。

 

逆に、

何らかのスキームを

成立させるために、

書類を隠さなければならない。

数字を書き換えなければならない。

 

そういったことをしないと

成り立たないものであれば、

経営者として割に合わないリスクを

背負っている可能性があります。

 

そもそも、

「バレるかどうか」を

判断基準にしている時点で、

それは合法戦略ではありません。

 

合法ラインは、

隠せるかどうかではなく、

事実として説明できるか

どうかで決まるからです。

 

繰り返しになりますが、

社会保険料を下げる方法を

考えること自体が悪いのでは

ありません。

 

説明できない方法で

下げようとしてしまうことが

問題なのです。

 

合法的な制度は、

徹底的に使えばいい。

 

ただし、

事実は曲げない。

 

この線を守れる経営者ほど、

合法的な選択肢を増やせます。

 

もし、

あなたが今回の話を聞いて、

「説明できない内容がある」

「合法ラインかどうか知りたい」

ということであれば、

何も起きていないうちに、

専門家に相談しておくことを

オススメします。

 

今なら桐生も相談に乗りますよ^^

 

桐生 将人