※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した
内容を再編集して投稿しております。
こんにちは。
桐生です。
「自分は親に対して『一切の相続を放棄する』
ということを伝えている。
なぜなら、相続財産があると思うと、
心のどこかで甘えが生じてしまうから。」
この言葉―
以前にも紹介したことがあるのですが、
これは、桐生の大尊敬するクライアントの
言葉です。
桐生自身も、
この言葉にめちゃくちゃ共感して、
「自分も相続財産は一切いらない」
ということを親に伝えています。
なぜ、そんなことをするのか?
それは、桐生が、
「人間の最大のモチベーションは、
“恐怖”の感情にある」
と考えているからです。
たとえば、宿題を締め切り間近に
なってから死ぬ気でこなす子ども。
この子どもは、宿題をやらずに
先生に怒られるという”恐怖”に
突き動かされているわけです。
桐生は自分が独立してから、
常に「どうやって自分を追い込むか」
を考えてきました。
たとえば、
「家賃をあげまくる」、
「預金を最低限残して、
残りをハイリスクの投資に
突っ込む」
というような話は
桐生を昔から知っている人から
すると常識かもしれません。笑
これらに関しても、
・家賃を払えなければ追い出される
・預金残高が少ないから安心できない
という”恐怖”の感情を自分に生み出す
ために行ってきたわけです。
ということで。
「”恐怖”という感情が
モチベーションになる」
ということはなんとなく理解して
もらえたと思うのですが、、、
もし、あなたが意図的に
恐怖の感情を取り扱うのであれば、
十分に注意してください。
というのも、
実は、恐怖という感情には
2種類の恐怖があって、
間違った恐怖を与えてしまうと、
モチベーションになるどころか
完全な思考停止状態に繋がって
しまうからです。
では、2種類の恐怖とはなにか?
それは、
「目の前の恐怖」と「将来の恐怖」
です。
たとえば、あなたが夜眠っているときに、
ふと物音で目を覚ましたとします。
すると、目の前に包丁を持った男が
立っていました。
興奮気味に息があがっていて、
今にもあなたに飛びかかってきそうな
様子です。
さて、どうでしょう?
「来月の売上をどう増やすか?」
「長期的な資産を築くにはどうしようか?」
「将来も健康でいられるように食生活を
どう改善しようか?」
…こんなことを考えられますか?
おそらく無理ですよね。
何が言いたいかと言うと、
人間は「目の前の恐怖」に襲われると、
思考が停止してしまうということです。
では、もう1つ想像してみてください。
10年後の自分がタイムマシーンでやってきて、
「今の生活習慣のせいで、10年後に大病で
死ぬことになるぞ」と言われたとします。
確かに先の事例と同じように
「死」という恐怖は感じるかも
しれません。
ですが、その恐怖は、
「運動を始めようかな」
「食生活を改善しようかな」
「仕事を効率化しようかな」
といった思考を促す方向に働きます。
つまり、人は、
“目の前の恐怖”には思考停止し、
“将来の恐怖”には思考が働く
ということです。
実は社会保険料も同じ構造です。
たとえば、あなたが「ハイブリッド雇用」
の制度を導入したとします。
物価高の現代における生活費や食費の上昇
といった”社員の目の前の恐怖”を解決しよう
と考えたわけです。
ですが、ある社員からこんな声があがりました。
「社会保険料が下がったので、
将来の年金が心配です…」
確かに、現制度で言えば、
社会保険料が下がることによって、
今の手取りは増えますが、
将来の年金は減ることになります。
つまり、
「目の前の恐怖を減らすかわりに、
将来の恐怖を増やした」
といえるわけです。
ですが、実際のところ、
今の現役世代にとって、
「数十年後の年金」よりも
「今月の家計赤字」のほうが、
はるかにリアルで切実です。
そう考えると、
社会保険料が下がったことは、
「目の前の恐怖を減らすことで
思考停止状態を回避して、
将来の恐怖を増やすことで
思考を促す状態を生み出した」
とも言えるわけです。
思考ができれば、将来の不安も
きっと解決できるはずです。
ですが、目の前の恐怖によって
思考停止状態になっていては
将来の不安どころか目の前の不安すらも
解決できません。
つまり、どんな場合においても
将来の恐怖よりも目の前の恐怖を
取り除くことが先決なのです。
だからこそ、あなたが社員想いの経営者なら、
・まずは社員の目の前の恐怖を取り除き、
・将来の不安を程よく残して成長を促す
という働き方を考えてあげてください。
手っ取り早い方法は、
フリーランスと社員のいいとこ取りをする
「ハイブリッド雇用」を導入することかも
しれません^^
桐生 将人

