マーケティング

「業界初」と聞いたら今すぐ逃げてください

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生です。

 

「業界初」や「世界初」と

聞いたらどんな印象を受けますか?

 

きっと、ポジティブな印象を

受ける方が多いと思います。

 

何を隠そう、桐生自身もこの単語を聞くと、

ついついビクッと反応してしまいます。笑

 

なんたって、

「今までにはなかった

唯一無二のもの」

ですからね。

 

そんなサービスや商品があれば

使ってみたいと思うのも自然の

ことかもしれません。

 

ですが…

 

これからは、

「業界初」や「世界初」と聞いたら、

“今すぐ逃げろという警告”と

捉えたほうが良いかもしれません。

 

少し考えてみてください。

 

あなたは自分の家のキッチンを

リフォームしようとしています。

 

あなたの依頼できる大工さんの

候補は以下の2人です。

 

1.キッチンのリフォームを

一度も行ったことのない大工さん

2.キッチンのリフォーム専門で

10年以上仕事をしてきた大工さん

 

さて、どちらを選びますか?

 

…おそらく多くの人が

後者の2.を選びますよね。

 

では、なぜ後者を選んだのか?

 

それは「経験」が違うからです。

 

このように考えると、

質の高い商品やサービスに

重要な要素の1つは

「蓄積された経験」

だということがわかります。

 

『なにを当たり前のことを…』

 

そう思うかもしれませんが、

「経験」の着眼点を取り入れると、

「業界初」や「世界初」というものが

まったく別のものに見えてきます。

 

どういうことかというと、

「業界初」や「世界初」とは

「経験不足のもの」だという

ことです。

 

・業界初の商品

・世界初の技術

・唯一無二のサービス

 

これらは何を言っているかというと、

「経験不足です!」とアピールして

いるのと同じだということです。

 

経験が蓄積されていく商品とは、

今までの商品の延長線上にあるので、

業界初の商品にはなりません。

 

逆に、ずっと進化していない商品が

あるとすれば、それを使っている人たちの

経験がそのモノの質を「保証」している

といえるのです。

 

それなのに多くの人は、

「ユニーク、唯一無二、新しい技術」

ということをポジティブな評価として

捉えてしまいます。

 

ちなみにこの話は、

商品やサービスの「質」だけではなく、

「事業」においても同じことが

言えます。

 

たとえば、「業界初の事業」に

チャレンジすることは、

パイオニアとして先行者利益を

受けられるので、ポジティブな

ものとして捉えられているかも

しれません。

 

ですが、ある調査では、

50種の製品、500ブランドの

パイオニアがどうなったかを

追跡してみたところ、

半数近くが倒産していて、

市場シェアは10%程度しか

なかったことが判明しています。

 

逆に、パイオニア企業のことを

後追いして参入した企業については、

倒産はわずか8%であり、

シェアは28%になっていました。

 

つまり、経験不足の新しい事業に

チャレンジすることはハイリスクであり、

得られる先行者利益もそのリスクと

比べればそんなに大きいものではない

ということです。

 

それであれば、

ハイリスクな先行者利益を狙うより、

誰かの蓄積された経験を利用して、

ローリスクで事業にチャレンジする方が

賢いと言えますよね。

 

ちなみに、Apple社もiPhoneを

業界初の商品として出したように

思われがちですが、実際は

「ブラックベリー」の後追いで参入した

「ファスト・フォロワー」だと

言われています。

 

あのApple社すらも他社の経験を

活用しているのです。

 

僕らも誰かの経験を使わない手は

ないですよね。

 

桐生もついつい「業界初」に

飛びつこうとしてしまうのですが、、、

 

これからは「経験」という着眼点から

商品やサービスと向き合っていこうと

思った次第です^^;

桐生 将人

―参考図書:『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』著:ベント・フリウビヤ、ダン・ガードナー、出版:サンマーク出版 (2024/4/24)