節税・社保料適正化

保険業界の闇(ヒント:節税)

※本ブログは桐生が過去にメルマガで配信した

内容を再編集して投稿しております。

 

こんにちは。

桐生将人(きりゅうまさと)です。

 

知っている方も多いと

思いますが、桐生は、

もともと保険業界出身です。

 

直販とかではなく、

総合職として新卒入社して、

マーケティングや営業企画系

の部署に4年、代理店営業を

1年経験しました。

 

そんなこんなで今でも

保険代理店のクライアントや

保険業界の仲間も少なからず

いるのですが…

 

最近になって、

「相変わらずだなぁ…

この業界は…」

と思うことがあったので、

共有します。

 

それは何かというと、

「保険だけしか考えずに

節税の提案をする」

ということです。

 

これは過去の自分に対する

反省でもありますが…

 

保険業界の人間は法人税や

所得税についての知識を

ほとんど持たないままに

「保険による節税効果」

だけを学びます。

 

その結果、保険以外の節税の

代替案どころか、その保険の

加入から解約までのお金の流れ

すら理解できていないままに

唯一の節税策のように保険を

提案します。

 

こんな知識レベルで商品を

売れるわけですから、彼らの

営業力には脱帽モノですが…

 

売られた側はたまったもん

じゃないですよね。

 

桐生も独立してから

もう丸7年経ちます。

 

今となって彼らの提案を

聞くと感じるのは、

「全然経営者のことも

税金のこともわかって

ないなぁ…」

って感じです。

 

たとえば、

先日話を聞いた商品は

こんな商品でした。

 

///////////////

・毎年の保険料は1000万円

・損金は40%(今はこれが

ギリギリだそうですね)

・5年目で名義変更する

・その際の解約返戻金は

1%とかなので、買取金額は

50万円程度となり、

売却損も計上可能。

・その後6年目については

1000万円の保険料を個人で

支払ってから解約する

・6年目は解約返戻率84%程度

になり、かつ、その返戻金は

一時所得になる

・一時所得は通常の給与等よりも

所得税が少なく済むので、

法人から個人への資金の移転と

節税が同時に可能となる
///////////////

 

昔よくあった手法ですが、

いまだにこういうのって

続いているのですね^^;

(ちなみにこの手法は

現時点の情報でまたメスが

入るようなので結局はでき

ないっぽいです)

 

ですが…これって本当に

お得なのですかね?

 

あなたは即時にこの保険が

お得かどうかを判断できますか?

 

これだけこねくり回されて

しまうと、実際にお得か

どうかわからないと思うの

ですよね。

 

ということで、ざっくり

試算してみましょうか。

 

たとえば、

法人で1,500万円くらいの利益が

出ていて、社長自身も1,500万円

程度の役員報酬を取っているような

企業を例にしてみましょう。

(そもそも保険を提案する先は

儲かっている法人が基本ですから

これは極端な例ではありません)

 

で、そういった企業に

先の保険を年払1000万円で

提案したとしますね。

 

すると以下のような

イメージになります。

 

//////////////////////

<パターン1:先の保険を活用した場合>

1年目については、

1,000万円×資産計上60%

×法人税約33%=198万円

資産計上は600万円

となります。

 

2年目~5年目までは一緒なので、

法人税=198万円×5年=990万円

そして資産計上額が3,000万円と

なります。

 

つまり、この保険に入っても、

法人税だけで「990万円」を失います。

 

次に、5年目で社長が法人から

保険を買い取るわけですが…

 

ここで資産計上した3,000万円と

売却額の差を損として計上できます。

 

仮に以下のような節税効果が

出たとしましょう。

 

(3,000万円-50万円)×法人税33%

=973万円…節税額

 

当初990万円の法人税を払いましたが、

973万円の節税効果を得ましたので、

実質負担は「17万円」となったとします。

 

なお、社長が買い取る際の50万円に

ついては法人にお金が移るだけなので

スルーしておきます。

 

6年目については、保険料を社長が

個人で支払うことになります。

 

1,000万円を支払うということに

なりますが、この保険料を払う

資金を法人から個人に移転する

と考えます。

(おそらく保険業界の人は、

これを無視して手出しする

計算をしていると思いますが…)

 

当然役員報酬等で取るわけですから、

もともと1,500万円の役員報酬を取って

いるとなると、少なくとも所得税と

住民税で43%がかかるでしょう。

 

ということは、

1,000万円÷(100%-43%)=1,754万円

となります。

 

つまり、この保険料原資を確保する

ために所得税と住民税を余計に

「754万円」払うことになります。

 

さらに、6年目で解約した際に、

解約返戻率は84%ですから、

単純に保険会社に持っていかれた

お金として、6,000万円×(100%-84%)

=「960万円」が発生します。

 

そして、ようやく一時所得の計算と

なりますが、ここでも当然ながら、

所得税と住民税がかかります。

 

一時所得の税金

=(6,000万円×84%-1,000万円-50万円)

×1/2×43%=「857万円」

 

よって、結局失った金額は、

法人税17万円

+所得税・住民税754万円

+保険に取られたお金960万円

+所得税・住民税857万円

=2,588万円

 

となります。

//////////////////////

 

これだけでは比較対象がないので

すごいかどうかわかりませんが、

事実として「2,588万円」が税金や

保険会社に持っていかれたわけです。

 

では、他のパターンを考えてみましょう。

 

//////////////////////

<パターン2:法人にそのまま残した場合>

1年目:1,000万円×法人税約33%=330万円

2年目以降も同じなので、

330万円×6年=1,980万円

//////////////////////

 

あれ…節税がどーのとか言って

いるわけですが…

 

普通に法人税を払っていれば

失うお金は「1,980万円」で

済んだということです…。

 

「桐生さん!でも、これだと

個人への移転ができていませんよ!」

 

そうですよね!

 

では、今度は給与にしてみます!

 

//////////////////////

<パターン3:個人で給与をとった場合>

年収1,500万円の人が余計に1,000万円を

取った場合を想定すると…

 

1年目:1,000万円×所得税・住民税約43%=430万円

2年目以降も同じなので、

430万円×6年=2,580万円

 

あれ…この場合も失うお金は

「2,580万円」で済むことになります。

//////////////////////

 

こう考えていくと…

 

どう考えても利益が多くて

役員報酬も多いような会社の

場合に関しては、

「個人に移転するなら給与で

取った方がお得」だし、

個人への移転がいらないなら、

「法人でそのまま税金を払った

方がお得」となりますよね。

(おそらく計算式は合っていると

思うのですが、間違っていたら

ご指摘ください^^;)

 

もちろん色んな前提がありますから、

保険を使った方がお得なパターンも

あるでしょう。

 

ですが、残念ながら保険業界では、

「社長がそのまま法人税を払った

パターン」とか「給与で取った

パターン」をちゃんと考えずに

提案する人が多いのが現状です。

 

これは提案する担当者にも

もちろん責任がありますが、

業界そのものがそういった

ことを学ばせずに、保険の

メリットだけが算出される

ようなシステムを開発する

ところにも問題がある気が

しています。

 

最終的には保険加入の判断を

するのは社長ですから、最終的

な責任は社長にあるわけですが、

“よくわからないけど、

実は何も得していない節税手法”

に騙されないように注意して

くださいね。

 

桐生 将人

 

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